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令和3年3月15日(月)
『泣こかい,飛ぼかい,泣こよかひっ飛べ』
鹿児島県内では,年長の者「二才(にせ)」が,年少の者「稚児(ちご)」の面倒をみるものでした。二才が稚児たちと連れだって遊びに行くと,田んぼに用水路があります。まず二才たちが飛び越えます。次に,稚児たちに飛び越えさせようと促しますが,稚児たちは飛ぶのに躊躇(ちゅうちょ)します。すると,二才たちが『泣こかい,飛ぼかい,泣こよかひっ飛べ』と囃(はやし)し立てます。これは,困難に出会った時はあれこれ考えず,とにかく行動しなさいという薩摩人の精神をあらわす言葉で,今にして思えば,郷中(ごじゅう)教育の名残だったのです。
また,本県内では,至るところに,①負けるな,②嘘をつくな,③弱い者をいじめるな,という3つの言葉が大きな字で掲示されています。これもまた,郷中教育の教えを今に伝えている言葉です。交通未発達の時代に,日本列島最南端で交通の便が悪い,いわゆる僻地(へきち)である薩摩・大隅・日向の地から,多くの偉人傑士を輩出し,明治維新の最も有力な推進力となり得たのは,ひとえに郷中教育の制度が島津氏が治めた全薩摩藩・大隅藩・日向藩に広がり,その精神が徹底していたからに他なりませんでした。
志布志中の生徒の皆さんは,これからたくさんの困難に出会うことと思います。困難に出会ったときは『泣こかい,飛ぼかい,泣こよかひっ飛べ』の精神で,あれこれ考えず,とにかく行動してください。
そして,「負けるな」,「嘘をつくな」,「弱い者をいじめるな」,という3つの教訓も胸に刻みましょう。

令和3年3月11日(木)
 今から10年前の14時46分に東日本大震災が発生しました。地震の規模はマグニチュード9.0で,日本における観測史上最大の地震で,「千年に一度」と言われる程の大きな地震でした。地震発生から30分程経った際には東北地方と関東地方の太平洋沿岸部などに巨大な津波が押し寄せ,甚大(じんだい)な被害を与えました。さらには,今年2月13日午後11時8分頃,福島県沖を震源とするマグニチュード7.3の地震があり,最大震度6強を観測しました。2011年3月の東日本大震災の余震とみられています。
 そう遠くない将来,南海トラフ地震という大きな地震が起きることが予想されており,私たちが住む志布志市はその地震発生による被害と,津波による被害が発生することが危惧されています。
 地震は,いつ,どこで,どのように発生するのか予測することが難しいのです。地震発生を防ぐことはできませんが,日頃からの備えによりその被害をできる限り小さくすること,言うなれば「減災」が求められてもいます。
 本日,テレビやインターネット等で,東日本大震災にちなみ,地震や津波等が発生した際の避難方法などについて紹介されることと思います。皆さんはもう中学生ですので,地域から保護される立場だけではなく,地域を支え助ける役割を果たすことも期待されています。そこで,自分たちよりも幼い幼稚園・保育園児や小学生を誘導して避難したり,高齢者の方々に何かできることはないだろうかと考えたりすることも大切なことです。
 学校にいるときに地震が発生するとは限りません。休日や深夜,あるいは自分一人で家にいるときに地震に遭遇する可能性の方が高いです。ですから,学校以外の場所で地震が発生したら,自らの命を守ることを第一として,どのような行動をとったらいいのか自分で判断できるようにすることが大切です。
 学校や自宅などで地震に遭遇したときに気をつけることは何か,災害に備えてできることは何か,災害時に地域を支えるためにできることは何かを,今日という日を受け止め,皆さん一人一人がよく考えてください。

令和3年3月5日(金)
「いいこと貯金」
 学校,家庭,地域などで,良いことをしたら気持ちがいいですよね。しかも,良いことをした時に褒められたり,お礼を言われたりしたらもっと嬉しくなるものです。
 しかし,一方で良いことをしても誰も見ていないときは誰も褒めてくれないし,誰からもお礼を言われませんよね。こんな時にはちょっと残念なような,寂しいような気持ちになるかも知れません。そんな気持ちになってしまったときにはどうすればいいのでしょうか。良いことをするのをやめますか?人が見ているときだけ良いことをしますか?せっかく,良いことをしようとする気持ちがあるのに,それはもったいないことですね。
 そんなとき,私は心の中に「いいこと貯金」をすればいいと思います。つまり,良いことをしても誰にも褒められなかった時には,自分の心の中に貯金をしたと考えるのです。私はこの貯金が多ければ多いほど,人の心は豊かになれると思います。むしろ,良いことをしても親切にしても,褒められもせずお礼も言われもせずの方が良いのかも知れません。だって,褒められるために,お礼を言われるために良いことをするのではないのですから。人が見ていようがいまいが,いつも良いこと,親切なことをしてください。そうして皆さん一人一人がそれぞれの心にたくさんの貯金をしてください。志布志中学校の生徒の皆さんなら,きっと「いいこと貯金」ができることでしょう。