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令和2年5月29日(金)
生徒総会(校長講評)
 本来ならば,今月9日に,生徒総会を実施する予定でしたが,5月9日まで新型コロナウィルス感染症予防のため臨時休校となり,総会をするための準備ができませんでした。5月11日から学校を再開しようやく本日生徒総会を開催することができました。
 しかしながら,生徒会の各専門部や執行部,さらには自主的な活動を継続しているボランティア活動など,生徒総会で共通理解した上での活動のように,生徒自身の主体性を発揮し,昨年度末から今日まで継続してくれました。その動きに感動し,感心させられています。
 さて,11日からの登校再開で,普通の学校生活がどれだけ幸せなことなのかを噛みしめている毎日だと思います。そして,制限はあるものの普通に授業を受けること,友だちと語り合うこと,自分たちの生活を自分たちの力でより良くしようとする,清掃やボランティア,そして生徒会活動,係活動仲間などに取り組むことなどで,青春を謳歌していることと思います。
 そうなのです。生徒の皆さんが,当たり前の普通のことだと思っていた学校生活とは,かけがえのないキラキラと輝く瞬間なのです。
 しかしながら,生徒会活動や係活動も,いろいろな制限があり,与えられた条件の中で取り組んでいる活動もあります。通常の学校生活であれば,しなくてもいい活動が増えた部分もあります。そのような状況下で令和2年度の生徒会スローガンとして「3つのAI 支え合い 笑い合い 高め合い」を設定し,生徒全員一丸となって取り組もうとしています。自分たちの生活を,自分たちの力でより良く改善し前進しようとしている志布志中学校の生徒の皆さんを頼もしく思います。生徒全員が力を結集することで支え合い,今の状況をより充実させるための活動を継続しましょう。そして,お互いの活動を笑顔「笑い合い」で認めましょう。さらには,志布志中学校と志布志中学校に通う全生徒のレベルアップを図り,即ち「高め合い」ましょう。大いに期待しています。
 これで私の講評を終わります。

令和2年5月29日(金)
「登り坂,下り坂,まさか」
みなさん,それぞれの人生には,必ずいいときと悪いときがあるものです。それを,坂に例えて「上り坂,下り坂」と言う場合があります。どのような状況下においても,熱い心(熱意)をもち,冷静に対応する習慣が身に着いておけば失敗は少なくなるものです。人生上り調子の上り坂でも調子に乗らないですし,絶不調の下り坂であっても落ち込まずやるべきことに適切に対応することができます。
しかしながら,予期しない三つめの坂があります。何という坂かご存じですか。(しばらく時間を置く。)「時見坂」ではありません。(しばらく時間を置く。)予期せぬ三つめの坂とは,“まさか”という想定外の坂です。これが,最も厄介(やっかい)な坂なのです。どんな世の中においてもあり得ますし,私たちの人生において,時として仕事や勉強,人間関係,健康などについて予想や想像もつかない状況に陥ることがあるものです。
この“まさか”の直面したとき,その場面こそが私たちの人間性を高めるチャンスです。慌てず騒がず冷静にあらゆる角度から問題を分析し,温かい心と情熱で対処する,これが人間性を高めることになると思います。難しいことなのですが,一難去ってまた一難と“まさか”を重ねるごとに耐える力,我慢する力が育成され,やがて克服することができるようになってきます。今現在,世の中が新型コロナウィルスという“まさか”に遭遇しています。世界中がこの“まさか”に対応するために取り組んでいます。志布志中学校の生徒の皆さんも,感染症予防策を講じて,今できること,今やらなければならないこと,今やってはならないことに粛々(しゅくしゅく)と取り組みましょう。そして,私たちが,人生の三つの坂を克服すべく頑張っていきましょう。

令和2年5月28日(木)
人生はイエスかノーだけではない
昭和女子大学 学長 板東眞里子 
現実の世の中は単純ではありません。ゲームと違って正解と間違いだけでなく,「少し違うけど,まあいいか」「本当は好きでないけど,きらいというほどでもない」ことがたくさんあります。
子どものころは,いいこと・悪いこと・好き・きらいなどをはっきりさせないと気が済まないかも知れませんが,だんだん,現実はそう単純に割り切れないことが分かってきます。「面倒だな」「難しいな」とだけ思わないで,「だから世の中は面白い」と考えるようにしてください。
とてもいい人だと思い込んでいた人が,意外と自分の利益だけ考えていたり,臆病だとか,ズボラだとかいった悪い面を持っていることがあります。そんなとき「ああ,がっかりした。あんな人とは付き合わない」と切り捨てるのではなく,「いいところもあるのだけれどね」と考えましょう。恋人や友人もお互い完全でなくても,その欠点を認めて気にしない関係になると安定します。
友人との会合と家族の約束がぶつかるようなときも「友人の方が家族との関係より大事」とか「親といかないとがっかりするから」と一方的に選んでしまうのではなく,「この日でないとダメなのかしら」「時間をずらせないかしら」「その会には出られなくても,何か自分の気持ちを表すことはできないかしら」と考えて,相談してみましょう。
意外と,お互いにその日でなくてはダメかと思って無理して会っていた,ということがあります。自分の思い込みで「イエス」「ノー」の選択肢しか無いと思っていると,世界が狭くなります。
また,人生何がよくて,何が悪いか,後にならないと分からないことがたくさんあります。クラブの一軍になれず,ずーっと補欠で頑張っているうちに忍耐力が養われ,いろんな人から頼られるようになった。第一志望校の受験に失敗して偏差値の低い第二志望の所に行ったら,自分がトップになり先生からも友人からも大事に扱われ,自信がついて,大学進学では成功したということがあります。「成功だ」「失敗だ」と単純に決めつけないようにしましょう。
苦労や失敗から学べるか,ヤケになってしまうかが,本当の成功と失敗を左右します。失敗したからといっておしまいになるのではなく,そこからも学ぶことはたくさんあります。