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『泣こかい,飛ぼかい,泣こよかひっ飛べ』

令和3年3月15日(月)
『泣こかい,飛ぼかい,泣こよかひっ飛べ』
鹿児島県内では,年長の者「二才(にせ)」が,年少の者「稚児(ちご)」の面倒をみるものでした。二才が稚児たちと連れだって遊びに行くと,田んぼに用水路があります。まず二才たちが飛び越えます。次に,稚児たちに飛び越えさせようと促しますが,稚児たちは飛ぶのに躊躇(ちゅうちょ)します。すると,二才たちが『泣こかい,飛ぼかい,泣こよかひっ飛べ』と囃(はやし)し立てます。これは,困難に出会った時はあれこれ考えず,とにかく行動しなさいという薩摩人の精神をあらわす言葉で,今にして思えば,郷中(ごじゅう)教育の名残だったのです。
また,本県内では,至るところに,①負けるな,②嘘をつくな,③弱い者をいじめるな,という3つの言葉が大きな字で掲示されています。これもまた,郷中教育の教えを今に伝えている言葉です。交通未発達の時代に,日本列島最南端で交通の便が悪い,いわゆる僻地(へきち)である薩摩・大隅・日向の地から,多くの偉人傑士を輩出し,明治維新の最も有力な推進力となり得たのは,ひとえに郷中教育の制度が島津氏が治めた全薩摩藩・大隅藩・日向藩に広がり,その精神が徹底していたからに他なりませんでした。
志布志中の生徒の皆さんは,これからたくさんの困難に出会うことと思います。困難に出会ったときは『泣こかい,飛ぼかい,泣こよかひっ飛べ』の精神で,あれこれ考えず,とにかく行動してください。
そして,「負けるな」,「嘘をつくな」,「弱い者をいじめるな」,という3つの教訓も胸に刻みましょう。