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 令和2年6月18日(木)
「二度とない人生だから」
 今日は坂村真民(さかむら しんみん)の「二度とない人生だから」の詩を紹介します。
 二度とない人生だから
一輪の花にも 無限の愛を 注いでゆこう
一羽の鳥の声にも 無心の心を かたむけてゆこう
二度とない人生だから
一匹のこおろぎでも ふみころさないように こころしてゆこう
どんなにか よろこぶことだろう
 二度とない人生だから
  一ぺんでも多く 便りをしよう
  返事はかならず 書くことにしよう
 二度とない人生だから
  まず一番身近な者たちに できるだけのことをしよう
  貧しいけれど こころ豊かに接してゆこう
 二度とない人生だから
  つゆくさのつゆにも めぐりあいのふしぎを思い 足をとどめて見つめてゆこう
 二度とない人生だから
  のぼる日しずむ日 まるい月かけてゆく月
  四季それぞれの 星々の光にふれて わがこころを あらいきよめてゆこう
 二度とない人生だから
  戦争のない世の 実現に努力し そういう詩を 一篇でも多く 作ってゆこう
  わたしが死んだら あとをついでくれる 若い人たちのために この大願を 書きつづけてゆこう

令和2年6月17日(水)
「画竜点睛(がりょうてんせい)を欠く」のことばの意味
 中国の南朝という時代に梁(りょう)にいた張(ちょう)という絵の名人が,金陵(きんりょう)の安楽寺(あんらくじ)というお寺の壁に四頭の竜の絵を描きました。しかし,その絵の竜にはあえて瞳(ひとみ,別名晴:せい)を描き入れませんでした。周りの者がなぜか,と聞くと張は「瞳を入れると竜が飛び去ってしまうからだ」と言いました。それを信じない周りの者が瞳(ひとみ・せい)を入れるよう促し,仕方なく張が四頭の竜のうち,二頭の竜に瞳を描き入れると,竜は壁から抜け出して空へ昇っていき,瞳を入れなかった二頭はそのまま残ったそうです。この言い伝えから,竜の瞳を描き入れることが,物事の最後の大切な仕上げの象徴とされ「画竜点睛」という言葉が生まれたと言われています。ここで読み方に気をつけていただきたいのですが,竜の字は「りゅう」ではなく「りょう」と読むことです。
 「画竜点睛(がりょうてんせい)」の由来となった出来事は,「歴代名画記(れきだいめいがき)」という漢文に残されています。また,「画竜点睛」という言葉は,「画竜点睛を欠く」ということわざで有名です。「画竜点睛を欠く」とは「肝心な仕上げができていない」「詰めが甘い」という意味で使われます。
 「画竜点睛」は「ものごとの仕上げをすること」の意味です。「画竜点睛を欠く」は「最後の仕上げができていない」という意味です。使い間違いがないようにしましょう。
 「画竜点睛」を使った「画竜点睛を欠く」には,似た意味を持つことわざがあります。それは「仏作って魂入れず(ほとけつくってたましいいれず)」です。「仏つくって魂入れず」とは,もっとも肝心なことが抜け落ちていることを指します。石や木で仏を作っても,それに魂を入れなければただの飾りと同じであり,いちばん大事なものが抜けている,という意味です。すなわち「仏つくって魂入れず」は「画竜点睛を欠く」と同じ意味で使うことができます。
 今日から期末テストが始まっています。最後の最後まで真剣に取り組んでください。そして「画竜点睛を欠く」ことにならないよう,時間いっぱい精いっぱい取り組みましょう。

 令和2年6月15日(月)
卒業生からの激励
今日は,志布志中学校の卒業生である黒岩雅人さんからの激励メッセージを紹介します。
2014年3月に志布志中学校を卒業した,九州大学法学部4年の黒岩雅人と申します。新型コロナウィルスの影響で,中学総体が中止となったと知り,志布志中学校の皆様のために何か行動したいと思い,手紙を書かせていただきました。
最後の大会が中止になったことが悔しいと思っている方へ。それだけ強い思いを持って頑張ってきたこと,素晴らしいです。尊敬します。これまでの努力は,最後の大会が中止になったからといってゼロにはなりません。というより,無駄にならないようにこれからの人生で役立ててください。
一方で,そんなに悔しくない方もいると思います。そんな方のためにこそ,中学総体は開催されて欲しかったです。というのも,私自身が中学総体をきっかけに高校でも部活動を続けようと思ったからです。当時の私は,「テキトー」に取り組んでいて,高校では別の競技をしようと思っていました。そんな私ですが,中学総体で全く活躍できなかったことがかなり悔しく,高校でも続けようと決意しました。志布志高校に入学後は,中学時代の数倍真剣に取り組みました。中学での部活動も,高校での部活動も,今の自分の支えになっています。悔しいと思わなかった方も,これまでの部活動への取組を振り返るのをおすすめします。何か得られるものがあります。
春休みが伸びたと思えば,行事が無くなるなど,今後もどうなるか分かりません。世間では9月入学という意見も。その中で貴重な中学時代が過ぎていきます。後で振り返ったときに,後悔のないように,自分なりに楽しみ方を考えて,楽しく過ごして欲しいです。中学時代の思い出はずっと残ります。
最後になりますが,教育の最前線で,誰も経験したことがない状況で戦ってくださっている先生方には,尊敬の念しかありません。
読んでいただきありがとうございました。

九州大学法学部4年 黒岩雅人