Skip to content

令和2年10月7日(水)
水滴石穿(すいてきせきせん)
 水滴石穿とは,小さい力でも積み重なれば強大な力になることのたとえです。「水滴」は一滴の水のことで,「石穿」は石に穴をあけることです。たとえ一滴の水であっても,同じ位置に落ち続ければ,いずれ石に穴をあけることができるという意味です。
「点滴(てんてき)石をも穿(うが)つ」ともいいます。英語では,
If at first you don't succeed, try , try, try again.
(イフ アット ファースト ユウ ドント サクセスド トライ トライ トライ アゲイン)といい,一度でうまくいかなければ何度でもやりなさいという意味です。
 日本では,他に「継続は力なり」や「塵も積もれば山となる」などのことばがあります。これらは継続することの大切さについての教えです。一度にやり遂げることは困難なことでも,少しずつであっても継続することで,やがてやり遂げることができます。
 みなさんが,何かに失敗した時などに「私には向いてないのかな」と自分で自分を諦(あきら)めてしまうことはとても安易なことです。しかし,そのような安易な諦めを続けていくと,自分自身の中に負・マイナスの要素として残ってしまい,自分自身の自信や自尊(じそん)感情を失わせ,自らの価値を,下げてしまいます。
 コツコツ続けることで,結果的に「大きなこと」が起こるきっかけにもなりますし,さらには小さな成就感(じょうじゅかん)「やった感,やり感」を積み上げていくことで,自信にもつながります。もちろんコツコツ取り組んできたことが,結果的には結果につながらなかったり,行動しなかった場合には遭遇しなかったようなトラブルが生じるという,デメリットの可能性もありますが,「考えているだけで行動しない」という選択よりも,現状打破という意味では,可能性はぐっと高まるのではないでしょうか。「水滴石穿(すいてきせきせん)」のことばのとおり,「小さなことからコツコツと」持続することで,少しずつでも確実に積み上げることができ,必ず何かの変化を生むことにつながるでしょう。

令和2年10月6日(火)
「カラスとみずがめ」
 今日は,イソップ物語の「カラスとみずがめ」の話を紹介します。
「喉(のど)が乾いて,死にそうだ。どこかに,水がないかなぁ?」
 カラスは喉がからからでした。飲み水を探して飛び回っていました。しかし,水は,なかなか見つかりませんでした。
 暑い夏に日照りが続いて,池も川もからからに乾いているのです。
カラスは,あっちこっちと飛び回って,やっとみずがめを見つけることができました。
「やれやれ,これで助かった。水が飲めるぞ。」
 ところが,なんということでしょう。みずがめの水は底のほうに少し入っているだけなのです。いくらくちばしを入れても,水には届きません。
「困ったなぁ」
 カラスは,がっかりしましたが,落ち着いてよく考えてみました。
どうすれば水が飲めるのだろうか。何か良い方法はないだろうか。
「そうだ,いいことを思いついたぞ。この小さな石を水がめに入れてみよう!」
 カラスは小石を拾って,瓶の中に落としました。何度も何度も小石を瓶の中に落としました。
 すると,底の水がだんだん上へ上がってきて,くちばしに届くようになりました。そうして,カラスは水を飲むことができました。
 これは,水が欲しくて困っていたカラスが,自らのアイディアにより工夫や努力をして,欲しかった「水」にありつくことができたという話でした。志布志中学校の皆さんも,困難な中にあっても,活路が生み出せるよう,知恵と汗を出しましょう。

令和2年10月5日(月)
日々是好日(にちにちこれこうじつ)
日々是好日(にちにちこれこうじつ)とは,中国唐時代の雲門文偃(うんもん ぶんえん)禅師(ぜんじ)のことばです。ある日,禅師(ぜんじ)は弟子に「5日前のことはさておき,これから15日以降の心境を一言で述べなさい」と尋ねたそうです。しかし,弟子達はすぐには返答できませんでした。そこで,禅師(ぜんじ)が発したのが「日々是好日(にちにちこれこうじつ)」ということばでした。
この語をそのとおりに解釈すれば,毎日が平穏(へいおん)で何事もない,という意味です。しかし,禅的に解釈するとそうではなく,禅師は自ら15日間という期間を示しながらも,今即刻の返答を求めたのです。
命あるもの,明日という日が来るとは限りません。この一瞬一瞬を大切にせよ,ということを教え諭したのが「日々是好日(にちにちこれこうじつ)」だそうです。
毎日災いごとも何事もなく,穏やかな日々を送るだけが「日々是好日」ではありません。私のような凡人は,今日も一日よい日で無事で過ごせることを願うのみなのですが,現実は良いことや悪いことの繰り返しです。季節には四季があります。色とりどりの花が咲く春もあれば,毎日猛暑日のような厳しい夏もあります。コロナウィルスの猛威もあります。連日のように様々な問題が起き,頭を抱えるようなことが起きるかも知れません。
しかし,どんな風雨が吹き荒ぼうと,日々に起きる好悪の出来事があっても,今日のこの一日は二度とないかけがえのない日だと思います。この一日を全身全霊で生きることこそ,「日々是好日」となり得ると思うのです。
ただ何も考えず,そして待っているだけでは好日にはなりません。主体的に明日を作り充実した良き日にしていくために,日々計画を立て準備するからこそ好日になるということを理解しつつ,かけがえのない学校生活を送っていきましょう。