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令和2年6月19日(金)
期末テスト最終日
 失敗したことがない人は,挑戦したことがない人かも知れません。
 先週,私は「どんな人でも成績(成果)はあげられます!」と言いました。結果にこだわり,努力したことだけで満足してはいけないとも言いました。しかし,「失敗してはいけません」とは言っていません。
 そもそも,努力して成功率100%なんて,あり得ません。最初に伝えたように,失敗したことがない人は,高い目標に向かって挑戦しようとしない人だし,挑戦したことがない人なのです。
 成果や成績を上げるために,たくさんの努力をしたことと思います。しかしながら,努力をしても目標を達成することができなかった場合,すなわちうまくいかなかった場合は,失敗から学んだと考えてください。もし失敗を繰り返しているとしたら,自分自身のルールを作って,その失敗のスパイラルから抜け出してください。
 失敗を予防するためのルールとは,朝勉強をするつもりで寝過ごしてしまったとしたら,「目覚ましが鳴ったら10秒以内に寝床から出る」とか,計画した学習をこなせなかったとしたら,「こなせるまでおやつを食べられない」などです。このように自分でルールを設定すれば,自然と失敗を予防できるようになるはずです。
 だらしない姿勢と,怠けた心に負けないための,自分自身のルールを作り,繰り返す失敗にサヨナラし,新たな自分と出会えるよう取り組んでみましょう。

 令和2年6月18日(木)
「二度とない人生だから」
 今日は坂村真民(さかむら しんみん)の「二度とない人生だから」の詩を紹介します。
 二度とない人生だから
一輪の花にも 無限の愛を 注いでゆこう
一羽の鳥の声にも 無心の心を かたむけてゆこう
二度とない人生だから
一匹のこおろぎでも ふみころさないように こころしてゆこう
どんなにか よろこぶことだろう
 二度とない人生だから
  一ぺんでも多く 便りをしよう
  返事はかならず 書くことにしよう
 二度とない人生だから
  まず一番身近な者たちに できるだけのことをしよう
  貧しいけれど こころ豊かに接してゆこう
 二度とない人生だから
  つゆくさのつゆにも めぐりあいのふしぎを思い 足をとどめて見つめてゆこう
 二度とない人生だから
  のぼる日しずむ日 まるい月かけてゆく月
  四季それぞれの 星々の光にふれて わがこころを あらいきよめてゆこう
 二度とない人生だから
  戦争のない世の 実現に努力し そういう詩を 一篇でも多く 作ってゆこう
  わたしが死んだら あとをついでくれる 若い人たちのために この大願を 書きつづけてゆこう

令和2年6月17日(水)
「画竜点睛(がりょうてんせい)を欠く」のことばの意味
 中国の南朝という時代に梁(りょう)にいた張(ちょう)という絵の名人が,金陵(きんりょう)の安楽寺(あんらくじ)というお寺の壁に四頭の竜の絵を描きました。しかし,その絵の竜にはあえて瞳(ひとみ,別名晴:せい)を描き入れませんでした。周りの者がなぜか,と聞くと張は「瞳を入れると竜が飛び去ってしまうからだ」と言いました。それを信じない周りの者が瞳(ひとみ・せい)を入れるよう促し,仕方なく張が四頭の竜のうち,二頭の竜に瞳を描き入れると,竜は壁から抜け出して空へ昇っていき,瞳を入れなかった二頭はそのまま残ったそうです。この言い伝えから,竜の瞳を描き入れることが,物事の最後の大切な仕上げの象徴とされ「画竜点睛」という言葉が生まれたと言われています。ここで読み方に気をつけていただきたいのですが,竜の字は「りゅう」ではなく「りょう」と読むことです。
 「画竜点睛(がりょうてんせい)」の由来となった出来事は,「歴代名画記(れきだいめいがき)」という漢文に残されています。また,「画竜点睛」という言葉は,「画竜点睛を欠く」ということわざで有名です。「画竜点睛を欠く」とは「肝心な仕上げができていない」「詰めが甘い」という意味で使われます。
 「画竜点睛」は「ものごとの仕上げをすること」の意味です。「画竜点睛を欠く」は「最後の仕上げができていない」という意味です。使い間違いがないようにしましょう。
 「画竜点睛」を使った「画竜点睛を欠く」には,似た意味を持つことわざがあります。それは「仏作って魂入れず(ほとけつくってたましいいれず)」です。「仏つくって魂入れず」とは,もっとも肝心なことが抜け落ちていることを指します。石や木で仏を作っても,それに魂を入れなければただの飾りと同じであり,いちばん大事なものが抜けている,という意味です。すなわち「仏つくって魂入れず」は「画竜点睛を欠く」と同じ意味で使うことができます。
 今日から期末テストが始まっています。最後の最後まで真剣に取り組んでください。そして「画竜点睛を欠く」ことにならないよう,時間いっぱい精いっぱい取り組みましょう。