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    令和2年4月17日(金)
『身から出たさび』とは,刀の身から出た錆(さび)が,刀自身を腐らせてしまうことの慣用句(かんようく)です。自分自身の行いや過ちが原因で,あとで災い(わざわい)を受けて苦しむことです。これは,『江戸いろはかるた』の一つでもあります。
さびは,鉄自身から出たのにも関わらず,やがて鉄自身をボロボロにしてしまいます。英語では,『Self do self have.(セルフ ドゥ セルフ ハブ 自分の行為は自分に帰ってくる)』ということばがあるようです。
鉄を用いた慣用句(かんようく)には,他に『鉄は熱いうちに打て』というものもあります。これは,英語の『Strike while the iron is hot.(ストライク ホワイル ザ アイロン イズ ホット)』を訳したことわざで,元々は英語のようです。「鉄は熱してやわらかいうちには,打っていろいろな形にできることから,人間も,純粋な心を失わず,若く柔軟性のあるうちに心身を鍛えることが大事である。また,物事をなすときにも,熱意が盛り上がっているうちに実行することが大事である。」という意味です。若い志布志中の生徒の皆さんも,自らを研ぎ続けることでさびを寄せ付けず,柔軟性を持ってどんな形にもなれるよう,自らの成長を促していきましょう。

令和2年4月16日(木)
 江戸時代に活躍した,二宮尊徳(にのみやそんとく:二宮金次郎)を知っていますか?尊徳は,幼い頃両親を亡くし,伯父(おじ)さんの家に預けられました。朝から夕方まで田畑で働きながら,夜灯明(とうみょう)を灯(とも)して勉強していましたが,伯父さんから灯りの油がもったいないと叱られ,勉強したいのに勉強できないという不遇(ふぐう)の少年時代を過ごしました。成長した後も,朝は朝星,夜は夕星をいだくまで,田畑に出て懸命に働き,豊かな村をつくり上げました。やがて,そのことを伝え聞いた大名たちから,領内(りょうない)にある貧しい村を救って欲しいと頼まれ,彼は次々と貧しい村を豊かで富める村へと変えていきます。
二宮尊徳は,晩年には幕府に登用され,江戸城に登城(とうじょう)することになったそうです。鋤(すき)や鍬(くわ)を担(かつ)いで,生涯を田畑で過ごしてきた二宮尊徳が裃(えりしも)を着け,居並ぶ大名たちの中,殿中(でんちゅう)に上がったとき,「あたかもどこの諸大名(しょだいみょう)か,と思えるような立ち振る舞いで,彼が発する言葉は,生まれながらに貴族のようであった」といいます。
このように,鋤(すき)や鍬(くわ)を手に農業をしてきただけの二宮尊徳が素晴らしい人間に成長したということは,働くということ,一生懸命に努力するということが,人間性を高めて行くのだということを,明確に示していると思います。
魂(たましい)を磨くためには,一生懸命に働く,つまり「精進(しょうじん)する」ということが一番の近道になるのだということを,二宮尊徳を通して,是非皆さんにも理解していただきたいと思います。