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 先日,仕事帰りの短い時間の中で,ラジオから『人が何かに無我夢中で取り組んでいる姿や頑張る姿は美しいと思いませんか。ご意見をお聞かせください。』というパーソナリティーの問い掛けに,大学生が自分の想いを電話で応えている場面に遭遇しました。
 その大学生は,「人が前向きに何かに向かって『頑張る』姿は本当に美しいと改めて気づきました。スポーツが与える感動は,試合で見せる感動的な場面の裏にある様々な努力の姿によって創り上げられていると思うのです。それは,特に試合を終え,選手一人一人が応援してくださった方々へお礼をする姿や選手一人一人が涙をこらえる姿に,そして,勝利の笑顔の裏にある計り知れない努力や流した涙を想像してしまうからだと思っています。」と思いを話していました。
 私は,車を一旦止め,その大学生の意見に聞き入ってしまい,今年日本で開催されたラグビーワールドカップの試合の中で,日本選手が体の大きな外国人選手に挑んでいく姿に一喜一憂した時の事や試合終了後の両国の選手たちが互いを称え合う姿に涙が込み上げてきた事が思い出されてなりませんでした。
 今,君たちは金曜日に行われる校内持久走大会へ向けて保健体育の時間に自分の目標記録突破へ向けて練習に取り組んでいる事だと思いますが,『一生懸命頑張る姿は美しい』という事を表現できていますか。
 目標達成は,あくまでも結果であり,達成できるとは限りません。しかし,『一生懸命頑張る姿』は全ての人が表現できることです。
 校内持久走大会当日,応援に来てくださった保護者の方々や同級生に,君たち一人一人が『一生懸命頑張る姿は美しい』という事をプレゼントしてくれることを心から期待しています。

 朝8時5分前に慌てて登校する生徒に「珍しいな。今日は,どうしたの」と問いかけると,息を切らせながら「寒くて,朝起きれませんでした。」という言葉が返ってきました。
 今年の「夏」は,例年以上に暑い日が続き,最も過ごしやすい季節「秋」があっという間に通り過ぎ,12月になって防寒着を着なければならないほどの寒い日が続いています。
 そんな寒い朝でも,風を切って登校する自転車通学生や白い息を吐きながら歩いて登校する生徒たち,「あいさつ運動中」という横断幕やのぼり旗を持って挨拶運動を行っている生徒たち,落ち葉集めやゴミ拾い等「ほうきの目運動」や「ごみ拾い運動」に参加する生徒たちで校門周辺は活気に満ち溢れ,「さあ,今日も一日頑張るぞ」という元気を君たちからもらっています。
 寒さが厳しくなると今まで守れていた時間が守れなくなったり,できていた活動が中途半端になったりする光景をよく見かけるものです。そして,その時,多くの生徒たちが「寒いから」という事を理由にすることがあります。
 では,守れなかったのは,「寒さ」が原因なのでしょうか。本当は,「寒さ」を理由に『自分の弱い心』に負けて,やるべきことを中途半端にしてしまったからではないでしょうか。
 人は弱い生き物で,一人で何かを続けることは難しいと言われますが,学級・学年,全校の取組として挑戦することは,意外と簡単なものです。これから2月までは寒い日が続きます。「寒い」という事を理由に『自分の弱い心』に負けないように全校生徒で励まし合い,頑張っていきましょう。

 毎年12月のこの時期を迎えると,どうしても思い出される言葉があります。
 私は,小学校時代落ち着きが無く,担任の先生に叱られては「明日から頑張ります。」と約束しても守れない事が続きました。そんな時に担任の先生が叱るのではなく,語り掛けるように『本物は続く,続ければ本物になる』と言われたのです。
 その時,担任の先生は,「みんな続けることが大切だと分かっているけど続けられない。だから『今日一日頑張る』と思って続けててみる。その思いを毎日繰り返せば,1年間では365日に続けられた事になる。そして,その分だけ君は確実に成長し,続けた事は君の本当の力なるんだよ」と教えてくださったのだと思います。
 君たちは,今まで様々な節目で学習面や生活面の目標を立て,実現へ向けて取組んできた事だと思いますが,目標が実現できた人,また,そうでない人と様々だと思います。
 目標を達成できなかった人は,「今日から目標を実現するために,毎日頑張るぞ」と意気込んでスタートを切ったものの,いろんな理由でできない日があり,「今日ぐらいはいいか」,そして,そういう日が続き「もう諦めよう」となったのではありませんか。
 『思い立ったが吉日』という言葉があるように「こうなりたい」と思った日が,目標設定の日でいいのです。そして続けることが大切なのです。
 『本物は続く,続ければ本物になる』,どんな小さなことでも1年続けられれば,必ず大きな力になります。今日がスタートです。頑張ってください。