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 あと数日で2学期の折り返し地点の11月がすぐそこまで来ています。校内では,学級園が夏の花から春の花の準備を行うなど季節の変化を感じる時期ですが,校門横の桜が淡いピンクの花を咲かせていることに気付いていますか。また,通学路にコスモスが可憐な小さな花を咲かせ,冷たい風に吹かれて揺れ動いているのに気付いていますか。
 10月下旬から11月上旬は,朝夕の肌寒さや街を彩る草花の変化,衣服の変化などから季節の移り変わりを五感で感じる季節ですが,この時期,学校も3年生主体の生徒会から2年生主体の生徒会へと引き継がれる時期であり,体育大会など動的な学習活動を中心とした時期から文化祭や読書など静かに学習に取り組む時期へと変わる時でもあります。
 今,8時前の校門周辺では「おはようございます。」という挨拶が飛び交い,活気ある雰囲気が創られ,A棟周辺では,多くの生徒がほうきを持ち,落ち葉を掃き集める姿が見られ,8時を知らせる音楽が流れる時には,気持ち良い環境が創らる日々が毎朝続いています。
 また,昼休みには図書室で図書部の生徒による「読み聞かせ会」が行われ,図書室が和やかな雰囲気に包まれています。
 「あいさつ運動」や「ほうきの目運動」などのボランティア活動や図書部の「読み聞かせ会」等生徒会活動が活発に行われ,学校中が活気に満ち溢れ,君たちの行動や気持ちの変化を肌で感じています。
 その結果,約5か月ぶりに『「8時5分までに生徒玄関通過」100%達成』を実現することができたのだと思います。
 今,「変化」を最も体感できる時期であり,「変化」を行動として表すことができる時期です。
 ぜひ,朝の「あいさつ運動」や「ほうきの目運動」に自主的にボランティアとして参加してみませんか。昼休み,図書室で行われる「読み聞かせ会」に参加してみませんか。きっと,違った志布志中を発見できると思います。

 今日は,『信頼』について考えてみたいと思います。『信頼』を得るというのは,小さな事の積み重ねで長い時間がかかるものです。
「期待に応える」とか「約束を守る」とか「当たり前の事を当たり前にできる」等のようなことを日々積み上げることで周りの人に信頼されるのです。
 しかし,信頼を崩すというのは本当に簡単なことです。「約束を破る」とか「やるべきことをしない」とか「わがままを通す」等のようなことを行うと,長い時間をかけて積み上げてきた『信頼』が一瞬にして崩れてしまうものです。
 イメージとしては信頼を築くことは,砂浜の波打ち際で砂山を作ることと同じなのです。砂を積み上げる手を止めてしまうと打ち寄せる波で砂山が崩されていく,砂山を作るにはひたすら砂を積み続けなければならないのです。
 では,『信頼』を得るため具体的にどんなことをしたらいいのでしょうか。鹿児島県出身で京セラの創業者である稲盛和夫さんの言葉に『「素直な心」「熱意」「努力」といった言葉は,あまりに素朴で原始的なために,誰も気に留めない。しかし,そういう単純な事こそが人生を決めていくポイントなのだ。』という言葉があります。
 君たちが,周りの人の言葉や教えを素直に聞き入れ,自分の目標達成へ向けて,「必ず実現する」という熱い思いを持ちながら,やるべきことを確実に行い,「当たり前の事を当たり前に行う」ことを継続できれば,『信頼』というとてつもない高価な宝物を得ることができるのだと思います。
 昨日も話しましたが,「これぐらいは」とか「これぐらいでいいかな」と迷う場面に直面した時には,「本当にこれでいいのか」と自問自答しながら,自分の強い心を信じて正しい選択をしてください。

 日々の生活の中で,つい私たちは「簡単なこと」や「できる事」をおろそかにしてしまいがちです。「これぐらいは遅れてもいいだろう」「これぐらいは見つからないだろう」「これぐらいは大したことじゃないだろう」と簡単に考えてしまう事が,全てにおいて,いい加減な取り組みとなり,結果的に大きな失敗に繋がってしまうものです。
 君たちは,「これぐらいはいいだろう。」という言葉を身の回りで聞いたことがありませんか。意外と簡単にこの言葉を使っていませんか。
 君たちが「これぐらいはいいだろう」という言葉を使う時の場面を思い浮かべてみてください。君たちがこの言葉を使うときには,学校を含めた社会のルールや生活する上での規則等を破ろうとしている時ではありませんか。今から自分が行おうとする行為がよくない行為だと分かっていながらも,「これぐらいは」と迷っている気持ちを振り切ろうとしている時ではありませんか。また,周りにいる友だちに「一人ではないから,一緒にいいだろう」と同意を求めている時ではありませんか。
 私たちが,「これぐらいは」と考えている時には,心の中で「それは間違っているから止めよう」という強い心と「これぐらいは大丈夫。大したことじゃない。みんなやっているから」という弱い心が闘っている時なのです。
 人生は,「一つの行いで,その人の生き方の全てを見透かされる」とも言われます。君たちの周りにはたくさんの誘惑があり,迷いながら生活していると思います。
 これから「これぐらいは」と迷う場面に直面した時には,「本当にこれでいいのか」と自問自答しながら,自分の強い心を信じて正しい選択をしてください。