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『島津日新公のいろは歌』

令和3年3月2日(火)
島津日新公のいろは歌
 日新(じっしん)公(こう)いろは歌は,島津家中興の祖で,島津義弘の祖父でもある島津忠良(ただよし:号は日新斉・じっしんさい)が,5年余の歳月をかけ完成させた薩摩藩の郷中教育の基礎となった47首の歌です。今まで38首紹介してきました。ちなみに,島津家中興の祖「島津忠良」の母は,志布志生まれの島津常盤(しまづ ときわ)です。
 今日は39首以降の5首を紹介します。
ゆ 弓を得て失ふことも大将の こころひとつの 手をばはなれず
集団の結束力をまとめるのも失うのも,すべて大将の心一つにかかっているものだ。
め めぐりては我が身にこそつかへけれ 先祖のまつり 忠孝(ちゅうこう)の道
先祖を祀ることや,忠孝の道に尽くすということはやがて自分にめぐりめぐってくるものです。おろそかにしてはなりません。
み 道にただ身をば捨てんと思ひとれ 必ず天の 助けあるべし
正しい道であれば我が身を捨てて突き進みなさい。そうすれば,かならず天の助けがあるはずです。
し 舌(した)だにも歯のこはきをばしるものを 人は心の なからましやは
舌でさえ,その触れる歯が硬いことを知っています。ましてや人においてはなおさらです。交流する相手が正しい人か悪い人かを判断する心がなくてはなりません。