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「心の中の鬼」を退治しよう

令和3年2月2日(火)
「心の中の鬼」を退治しよう
 節分は,「豆を撒いて鬼を追い払う日」です。この鬼を追い払う行事としての節分の歴史は古く,平安時代の宮中行事が起源とされています。
 平安時代は旧暦の1月1日の前日,つまり大晦日に方相氏(ほうそうし)と呼ばれる鬼役が手下役の役人を引き連れて宮中をまわり,厄を払う行事でした。鬼は疫病を象徴しており,鬼の姿をした疫病を追い払うこと,つまり流行病を封じ込めることを目的とした行事です。
 鬼退治と言えば,大流行中のアニメ「鬼滅の刃」も簡単に言うならば「鬼退治の物語」です。この「鬼滅の刃」の中に,婚約者を鬼に殺されてしまった和巳(かずみ)さんを,主人公の竈門炭治郎 (かまどたんじろう)が慰(なぐさ)める場面で,
 「失っても失っても,生きていくしかないんです。どんなに打ちのめされようとも」というセリフがありました。皆さんも,コロナ渦によって学校生活をはじめとするいろいろな活動ができないこと,つまり失ったことがあると思います。しかし,どんなに制約があっても,前に進んでいく必要があると思うのです。
 また,鬼が「強い者が生き延び,弱者は淘汰(とうた)されるのが自然の摂理だ」と主張するのに対し,炭治郎は『生まれた時には誰もが弱い赤子だ。強い者は弱い者を助け守る。そして弱い者は強くなり,また自分より弱い者を助け守る。これが自然の摂理だ」と言い返すシーンもありました。
 このセリフには,昨日ピンクシャツデーで,いじめと対決する姿勢を見せた皆さんの決意と重なるものを感じています。
 昔から疫病を鬼に例えて,邪気を払ってきた節分,豆まきですが,鬼とは,実は私たちみんなの心の中に「弱い心」として潜んでいるかも知れません。
 今日の節分をきっかけとして,新型コロナウィルスや私たちの中の弱い心などの鬼を退治して,より良い世の中になることを願っています。