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「幾たび(いくたび)か 辛酸(しんさん)を歴て(へて) 志はじめて堅(かた)し」

令和3年2月1日(月)
 「幾たび(いくたび)か 辛酸(しんさん)を歴て(へて) 志はじめて堅(かた)し」
 これは,西郷隆盛,西郷どん(せごどん)の言葉です。「何度も辛く(つらく)苦しい経験を経てはじめて,志は堅く確かなものとなる」という意味です。
 なぜ,西郷どんは何度も苦しい経験をすることになったのでしょうか。
 それは,西郷どんが誠意を持って,自分が信じることを貫いて生きてきたからです。ぶれない軸,信念を持って人生を真剣に生きたからこそ,時代の流れによって苦労した時期もあったのかも知れません。
 西郷どんは,「命もいらず,名もいらず,官位も金もいらぬ人は,始末に困るものなり」とも言っています。
 目先の利益や楽しいこと,便利さ,効率,見返り,報酬(ほうしゅう)など,得をすることばかりを追い求めることは,一見すると時代の流れに乗っているようにも見受けられます。しかし,そのようなことばかり求めてばかりいたら,心が渇ききってしまいます。西郷どんが言っていたのは,私欲も持たず,国家のために命を懸ける人物です。しかし,そこまで高い次元でなくても,そもそも,私利私欲を捨て,愛するもののために命をかける人間は,美しいものなのです。本音と建て前を使い分け,危険をおかしてまで信念を貫くよりも,都合の悪いことは見て見ぬふりをする,そういう人たちばかりになったら,この世は真っ暗の闇のようではないでしょうか。
 本当に私欲を捨て,自分の志を持ち,夢に向かってチャレンジしようという生徒がいる,と感じる時があります。令和の時代,アフターコロナの時代は,私利私欲を捨て,大志を抱き,ひたむきに生きる人が主役になる,そんな気がしています。今は我慢をしなければならなかったり,辛いこと苦しいことを乗り越えなければならなかったりするかも知れません。しかし,夢に向かってチャレンジする皆さんを,私は応援したいし,きっと周りの方々皆さんも応援してくれるはずです。