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『ライオンに恩返しをしたネズミ』(イソップ童話)

令和3年1月22日(金)
『ライオンに恩返しをしたネズミ』(イソップ童話)
 ライオンが,木陰で昼寝をしていました。すると,そこへネズミが来てライオンの背中へ登り,ちょろちょろ走り回りました。
 ネズミに気づいたライオンは目を覚まし,ネズミを捕まえて食べようとしました。
「わたしを食べないでください。こんな小さなネズミを食べても,おなかいっぱいにはなりません。わたしを助けてくださったら,いつか必ず,あなたを助けますから!」
 ネズミは震えながら,精一杯頼みました。
 ライオンはしばらく考えていましたが,ネズミが可愛そうになり,黙って放してやることにしました。
 何日かして,ライオンは猟師に捕まってしまいました。
 丈夫なロープの首輪をつけられ木に固定されて,ライオンは逃げることが出来ません。
(ああ,わたしの人生もこれで終わりだ)
 ライオンがあきらめようとしたときです。あの時のネズミがやって来て,鋭い歯でロープを噛み切り,ライオンを助けました。
「ありがとう。ネズミ君のおかげで助かった!」
 ライオンはネズミにお礼を言いました。そして,その後は仲良くなったということです。
 この話は,どんなに強い者でも,時には弱い立場にある者に助けてもらうこともある。という教えでした。