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『あいさつができる』

令和3年1月21日(木)
あいさつができる
昭和女子大学 板東眞里子 学長 
 朝起きて家族と顔を合わせるときに,できるだけ大きな声で,「おはよう」のあいさつをしましょう。照れくさいとか,子どもみたいとバカにしないでください。
 一日のはじめに,周りの人と「おはようございます」という言葉を掛け合うと,心が明るくなります。明るく楽しい気持ちで一日が過ごせるように,元気よくあいさつする習慣をつけましょう。
 私は朝,学生に自分から「おはよう」と声をかけますが,「おはようございます」と返事をしてもらえないとがっかりし,私のことが嫌いなのだろうか,反感を持っているのではないか,,と心配になります。誰かから先に声をかけられたら,必ず「おはようございます」と返しましょう。
 あいさつは,相手のことを認め,尊重し,よい関係でいたいという気持ちを表すものなので,無視されると「あの人は私のことが嫌いなのかな」と思われがちです。必ず明るく返すようにしましょう。人から声をかけられるのを待つのではなく,自分から働きかけるのです。
 家族の間だけでなく,学校に行く途中で近所の人に会ったり,学校に着いてから,先生や友だちと顔を合わせたりしたら,やはり「おはようございます」と,自分から声をかけましょう。朝の十時を過ぎてからのあいさつは,「おはよう」ではなく「こんにちは」の方がよいでしょう。
 「こんにちは」「こんばんは」の語源は,「こんにちはお元気ですか」とか「こんばんは,おじゃまします」などの「こんにちは」「こんばんは」であり,後ろの言葉が省略されるようになって「こんにちは」「こんばんは」になったそうです。
 「行ってきます」「ただいま」など,家を出るとき,帰ったときにするあいさつも大切です。また,家族の誰かが出かけるときは,「行ってらっしゃい」「お帰りなさい」と声をかけましょう。家を出入りするときのあいさつは,家族がお互いのことを大切に思い,気にかけていることを伝え合う,大切な機会です。
 「自分の親なんて大嫌い」と思っているうちは,未熟な子どもです。親はかけがえのない存在です。できるだけ大きな声であいさつをし,愛情と感謝を示しましょう。まずは家族の間でのあいさつを習慣にすると,自然にそれ以外の人にもあいさつできるようになります。
 あいさつは,自分以外の存在を認めているというメッセージ,仲良くしたいという気持ちの表れです。周りの人とよい関係を築き,毎日を気持ちよく過ごすスタートは,ひとことのあいさつです。