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 昨日の生徒集会で,開始時刻の少なくとも15分前には会場に入り,会議へ向けて心の準備をされる方の事を紹介しましたが,以前,志村けんさんの時間に対する思いが表れた逸話と重なる点が多いので,再度紹介させてもらいます。
 ある日,あるタレントさんが,志村けんさんと初めて一緒に仕事をすることになり,「遅刻しないように」と予定の時間より30分以上早く楽屋に入ったところ,志村さんがすでに仕事場に到着して準備をされていたそうです。
 その時,思わず「志村さん,どうしてこんなに早いのですか」と尋ねたところ,志村さんから「遅刻して『すみません』という言葉で1日を始めたくないから,仕事場に早く入るようにしているのです。」という言葉が返ってきたそうです。
 志村さんの時間や仕事に対する思い,一緒に仕事をする方々への心配りを表す逸話であり,昨日,紹介した方と重なる点が多いと思いませんか。
 人は,開始時刻や集合時刻が決まるとその会場までの道のりや所要時間を考え,出発する時間を設定するものですが,昨日紹介した方や志村さんは,会場までの所要時間に「心を準備する時間」「渋滞等によって生じる時間」「一緒に同じ時間を過ごす方々への心配り」等を考えて早めに家を出発されているのです。
 その時間や仕事に対する思い,一緒に仕事をする方々への心配りが周りの方々からの信頼となり,様々な場で活躍する場が与えられ,未来が拓けていくのではないでしょうか。
 「時間に対する思い」が変わることで,生き方が,そして未来が変わると思いませんか。志村さんの「笑い」を支える時間や仕事に対する思い,一緒に仕事をする方々への心配りを是非感じ取ってみてください。

 『未来は決まっていない。予定は未定。』とよく言われます。
 今,この瞬間,いつもと変わらない生活をしている。しかし,あと5分後,10分後,1時間後どんな生活をしているか分からないのです。また,明日は,1週間後は,1ヶ月後は,1年後はどんな生活をしているか想像はできても,確実にこうなっているとは誰にも言えないのです。
 時間を守ることを苦手にしている人に「1週間後試合だけど,集合時間大丈夫」と問いかけると,「大丈夫です。試合の日に遅れることはありません」と答えるのですが,実際は集合時間ではなく,出発時間にどうにか間に合ったという事をよく聞くことがあります。
 この事例の場合,「集合時間には間に合うつもりだったけれども,実際には間に合わなかった。」つまり予定は,未定だったのです。
 よく,「今できないことは,先送りしてもできない」と言われます。今日時間を守れない人が,1週間後,大事な試合の集合時間を確実に守れるとは言えないのです。どちらかと言えば,時間に遅れる可能性の方が高いのです。
 3年生は,今週末から私立高校入試が,1.2年生は,大事な県大会が開催される部活動があります。当日の朝,集合時間に間に合わなかったり,ぎりぎりになったりすると平常心を保てず,本来の力を発揮できなくなることも考えられます。
 人の身体の中には「体内時計」というものがあって,その日だけ時計の針を合わすことはできず,予定された行事等に体内時計を合わすには少なくとも1週間近くかかると言われています。
 1週間後,慌てることがないように,今日から入試,試合を想定した生活を送るようにしてください。
 まずは,「8時5分生徒玄関通過,8時10分着席」が第一歩ですね。気張ってください。

 一昨日,鹿児島市の宝山ホールで「春の祭典」が行われ,2年2組の生徒たちが2時間近くバスに揺られ会場に着き,会場内でのリハーサル,そして,張りつめた雰囲気と緊張が最大に高まる中,発表が始まりました。緊張を振り払いながら歌声が会場に響き渡り,会場からも大きな拍手が寄せられ,終わった後の2組の生徒たちの安堵感と解放感による笑顔はとても素晴らしいものでした。
 2年2組の生徒たちは,出番が近づくにつれて,心拍数が上がり,呼吸も乱れ,今までに経験したことのないほどの心や体が張り詰める「緊張している」という感覚を味わったことだと思います。
 しかし,少し考え方を変えてみると「緊張している」ではなく,「緊張させてもらった」と考える事はできませんか。
「緊張させてもらった」という事は,「春の祭典という大きな場で発表する場を学級として勝ち取ることができた」「多くの人たちに支えられて宝山ホールという大きな会場に立つことができた」という喜びや感謝に気付くことができるのではないでしょうか。
 また,「緊張させてもらった」と考えることで,今後経験するであろう様々な試練に立ち向かう勇気と行動力も身につくのではないでしょうか。
『緊張した後の解放感と達成感は,緊張しなければ味わえない。』という言葉もあります。この解放感と達成感は,試験・試合・発表・面接等へ向けて一生懸命取り組み,その場を乗り越えなければ味わうことはできません。
 これから君たちは,試験・試合・発表・面接等様々な緊張する場面に直面していくことだと思いますが,その緊張を乗り越えると解放感と達成感等を味わえるという事を信じて,目標達成へ向けて困難な事にも立ち向かっていってほしいと思います。