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 君にとって時間の価値はどのくらいですか。人は,無限に時間があると錯覚してしまうものです。しかし,人に与えられた時間には限りがあり,使える時間は少しずつ少なくなっているのです。
 以前,自分の一生を1日24時間に置き換えた『人生時計』の話の中で,15歳の3年生は「夜明け前の5時」を,14歳の2年生は4時40分を,13歳の1年生は4時20分を生きていることになると話をしました。私の場合は,19時20分を生きていることになり,24時までに残された時間は,君たちよりもはるかに短いのです。
 「時間は平等に与えられている。」と言われていますが,次のように人によって時間の価値や重みは違うと思います。例え話として「1年の価値を知りたければ,留年した学生に聞きなさい。」「1週間の価値を知りたければ,週刊誌の編集者に聞きなさい。」「1分の価値を知りたければ,電車に乗り遅れた人に聞きなさい。」「千分の1秒の価値を知りたければ,オリンピックで銀メダルに終った人に聞きなさい」と言われ,時間の重みは人によってそれぞれ差があるのです。
 時間に遅れる人にとって時間の価値はそれほど大きくないのかもしれませんが,待つ人の時間の重みは,遅れる人の数十倍,いや数百倍もの重みがあります。毎日,生徒玄関で君たちの登校を待っている人がいます。気付いていますか。待っている人の思いを。
 時間は、守って損することはありません。しかし,守らなくて損することはあります。数分の遅れも,繰り返せば大きな損を生みだします。いつも遅れる人は,信用という掛け替えのない大切なものを失うことになります。
 時間を大切にすることは,自分に与えられた時間,つまり命を大切にすることだと思います。朝,君たち全員で5分という時間を生み出せれば,「8時5分までに生徒玄関通過,8時10分までに着席」を100%達成できると思います。期待しています。

 もうあと約2週間で1学期が終わります。1学期が始まったころから君たちに『生徒会が奨励している「8時5分までに生徒玄関通過,8時10分までに着席」100%達成を目指して頑張りましょう。』という事を何回となく呼びかけてきました。
 そして,5月2日に100%達成する日を迎えられた時には,本当にうれしくて跳び上がりたいほどでした。しかし,それから100%達成の日が訪れることなく,最近95%前後の日が続き,今日を迎えています。
 全校生徒が,朝のすきま時間を自分の趣味,勉強,読書など好きなことに使って有意義に過ごす『朝活』を意識できるようになれば,学校が大きく変わるきっかけになるということも何回となく紹介しています。
 400人を超える全校生徒で一つの事を創り上げることは,決して簡単な事ではありません。しかし,君たちは集会時に全校生徒が開始時刻数分前に集合を完了し,黙想をして開始時刻を待つことができています。5月2日には「8時5分までに生徒玄関通過,8時10分までに着席」を100%達成することができたのです。
 このことは,学校として生徒会として自慢できる事なのです。1学期もあと2週間,ぜひ,「8時5分までに生徒玄関通過,8時10分までに着席」100%達成を全員の力の創り上げて,終業式を迎えてほしいものです。期待しています。
 君たちにはそれだけの力があります。

 先週の木曜日に寝る前に1日を振り返る「感謝の時間」を設け,些細な事でも感謝したことを「生活の記録」の片隅に3つ書き出し,次の日の朝,ポジティブな気持ちで登校できるようになってほしいという話をしましたが,できていますか。
 君たちは,最近「おかげさまで」とか「おかげさまで助かりました」「おかげさまで,できなかった事ができるようになりました」等「おかげさま」という言葉を使ったことがありますか。また,聞いたことがありますか。
 「おかげさま」という言葉は,他人から助けられたり,支えられたりした時の感謝の思いを表すときに添えられるものです。
 使い方としては,「心配していた発表が上手にできたね。」「はい,おかげさまで,ありがとうございます。」「やっと勝つことができたね。おめでとう。」「はい,おかげさまで,有難うございます。」等のように「おかげさま」は,お世話になった人や支えてもらった人に対して感謝を表す時に使われるものです。
 感謝を表す言葉として一般的に「ありがとう。」と「ありがとうございます。」がよく使われますが,君たちはどちらの言葉を使いますか。親しい間柄の場合は「ありがとう。」が使われ,先輩など年上の人に対しては「ありがとうございます。」という言葉を使うことが多いのではないでしょうか。
 しかし,感謝を表す人が親しいかどうか,年上かどうかで言葉を使い分けるのではなく,どんな場合でも「はい,おかげさまで,有難うございます。」等と「おかげさまで」と「~ございます。」という言葉を添えられるようになれば,感謝の思いがより伝わるだけでなく,君たちの生き方がより豊かになっていくのではないかと思います。
 まだ,1日を振り返る「感謝の時間」を設け,些細な事でも感謝したことを「生活の記録」の片隅に3つ書き出すことを始めていない人は,今日から始めてみてください。