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欲張りな犬

令和4年3月22日(火)
欲張りな犬(イソップ童話より)
 肉をくわえた犬が,橋を渡っていました。
 犬がふと下を見ると,川の中にも同じように,肉をくわえた犬がいるではありませんか。
 犬はそれを見て,思いました。
「あいつの肉の方が,大きくでうまそうだ!」
 犬は,悔しくて悔しくてたまりません。
「そうだ,あいつを脅かして,あの肉を奪いとってやろう!」
 そこで犬は,川の中の犬に向かって思いっきり吠えました。
「ウゥー,ワン!ワン!!」
 その途端,くわえていた肉は「ポチャン」と川の中に落ちてしまいました。
「ああー,しまったー!!」
 川の中には,がっかりしたイヌの顔が映っていました。さっきの川の中の犬は,川の水面に映った犬自身の顔だったのです。
 同じものを持っていても,他の人が持っているもののほうが良く見え,また,欲張ると結局損をするというお話でした。
 同じような意味をもつ「隣の芝生は青く見える」ということわざがあります。他人が持っているものは,自分のものよりよく見えるものであるという意味です。
 「隣の芝生は青く見える」は,海外から来たことわざです。海外では,自宅の庭に芝生を敷き詰める習慣がある地域があります。自宅の芝を見る時は,上から見ることになる分,枯れた芝に気づきやすいです。一方,隣の家の芝生を見る時は,横もしくは斜め上から見るため,角度がついて枯れた芝が見えにくく美しく見えます。そこで,実際には大きな差がないのにもかかわらず,隣の芝生の方がより青々とした色合いに感じられるのです。
 他人を羨(うらや)ましがることばかりせず,自らがもっているものを大切にしましょう。