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実るほど頭を垂れる稲穂かな

令和3年10月13日(水)
実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな
「中身の詰まっ(つまっ)てない稲はピンと立ち,中身が熟した稲ほど実の重みで頭が下がる様子から,知識や徳を積んだ人ほど謙虚(けんきょ)な人間になること」を示すことわざに,「実るほど頭を垂れる稲穂かな」があります。とても有名なことわざなのですが,どこからきたことわざなのかはわからないようです。大辞林(だいじりん)には,次のように解説されています。
学問や徳行(とっこう)が深くなれば,かえって謙虚(けんきょ)になる。実る稲田(いなだ)は頭垂る(あたましでる)。実るほど頭を垂れる稲穂かな。
要は豊かに実った稲はその重みで頭が下がる,その様子から何らかを学び修めた人は謙虚さを兼ね備えるようになるという意味です。
稲が生長するには稲自体のもつ力だけでは成長しません。土や水,日光などいろいろな要件が揃っ(そろっ)て,時間とともに稲穂の中身が詰まっていくのです。つまり,稲自体の力に加え,直接的にも間接的にも多くのはたらきによって稲穂の中身が詰まっていくのです。
私たち人間もこれまで成長するまでに様々な支えとご縁がありここまで育ってきました。これからも,自分の目には見えないたくさんの「はたらき」に支えられて育っていきましょう。決して中身が詰まらず,ピンと反り返ったままではなく,自ら頭を下げられる存在となるべく育っていきましょう。