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『島津日新公のいろは歌』

令和3年2月22日(月)
島津日新公のいろは歌
 日新(じっしん)公(こう)いろは歌は,島津家中興の祖で,島津義弘の祖父でもある島津忠良(ただよし:号は日新斉・じっしんさい)が,5年余の歳月をかけ完成させた薩摩藩の郷中教育の基礎となった47首の歌です。今まで36首紹介してきました。
 今日は37首以降の5首を紹介します。
あ あきらけき目も呉竹(くれたけ)のこの世より 迷はばいかに 後のやみじは
光あふれる世界である現世でさえ迷っていては,死後の闇の世界ではますます迷うだろう。仏の道を修めて悟りを開きなさい。
さ 酒も水ながれも酒となるぞかし ただ情あれ 君が言の葉
酒を与えても水のように思う者や,少しの酒で有り難く思う者もある。要は与え方の問題である。人の上に立つ者は思いやり深く,情け深くありなさい。
き 聞くことも又見ることもこころがら みな迷(まよ)ひなり みなさとりなり
我々が見たり聞いたりすることはすべて己の心の持ちようで,迷いともなり悟りともなる。