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「早寝・早起き・朝ご飯」の科学的根拠

令和3年2月8日(月)
「早寝・早起き・朝ご飯」の科学的根拠
「寝る子は育つ」と言われていますが,睡眠には心や身体の疲労を回復させる働きのほかに,脳や体を成長させる働きがあります。脳には海馬(かいば)という知識の工場があり,睡眠中に活性化し,昼間経験したことを何度も再生して確かめ,知識として蓄積しています。この海馬の働きを助け,私たちの成長に欠かせない脳内物質であるメラトニンと成長ホルモンは眠っている間に活発に分泌されます。眠る時間が遅くなると,これらの脳内物質の分泌に影響を与えてしまうので,なるべく早く床につくように心がけましょう。
朝の光を浴びると,脳の覚醒を促す脳内ホルモンであるセロトニンが活発に分泌されます。その結果,頭がスッキリと目覚め,集中力があがります。また,自律神経が副交感神経から交感神経に切り替わり,活動に適した体になります。
セロトニンは,夜寝ているときにはなく,朝起きると分泌されます。セロトニンの分泌を増やすには,太陽の光を浴びて体を動かすことや,朝ごはんをよく噛んで食べることが効果的です。
一方,陽が沈むと睡眠を促すホルモンであるメラトニンが合成されます。このメラトニンは,セロトニンを材料にしているので,昼にセロトニン分泌を増やすような活動をすることが大切になってきます。このように朝の光を浴びて,昼に活動を行うことにより,夜にはメラトニンがたっぷりと合成され,よく眠ることができるようになります。
脳のエネルギー源はブドウ糖です。ブドウ糖は体内に大量に蓄えておくことができないので,すぐに不足します。また,私たちの体は寝ている間もエネルギーを使うので,朝にはエネルギーや必要な栄養素が少ない状態です。つまり,朝起きたときは脳も体もエネルギー不足の状態なのです。そのため,朝食でブドウ糖をはじめとする様々な栄養素を補給し,午前中からしっかり活動できる状態を作ることが大切です。
しかし,ドリンクやゼリーなどで栄養を摂りさえすればいいというわけではありません。朝食でもう一つ大切なことは『よく噛んで食べること』です。『噛むこと』で脳が覚醒し活発になります。また,口に食べ物が入り,胃に送られてくると腸や大腸が動き始め,内臓も目覚めます。それが朝の排便習慣にもつながります。