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『一寸(いっすん)の光陰(こういん)軽(かろ)んずべからず』

令和2年10月26日(月)
一寸(いっすん)の光陰(こういん)軽(かろ)んずべからず
 光陰の「光(こう)」は光(ひかり)と書き,日のことです。「陰(いん)」は陰(かげ)と書き,月のことです。つまり,光陰とは月日,歳月のことです。直訳すると,一寸,少しの時間であっても軽く見てはいけないし,大事にしなければならない,という意味です。
 これは,中国・宋時代の儒学者であった朱熹(しゅき:朱子(しゅし))の「偶成(ぐうせい)」という漢詩だとされていました。しかし,朱熹の作品中にはこの詩の言葉は見当たらず,近年,室町時代の日本の禅僧(ぜんそう)の詩の言葉だと判明しました。
 少年老い易く学成り難し
 一寸の光陰軽んずべからず
 未(いま)だ覚(さ)めず池塘春草(ちとうしゅんそう)の夢
 階前(かいぜん)の梧葉(ごよう)已(すで)に秋声(しゅうせい)
 これは,「若者はすぐ年をとり,学問はなかなか成就(じょうじゅ)しない。まだ早い春だと思って眠りから覚めずにいるうちに,あっという間に周囲には秋の色がただようように,人生は早く時間が過ぎていく。だから,一刻も無駄にせずに学に励むべきである」という意味です。
 私も,ついこの間まで中学生だったような気がしますが,気が付けば,あっという間にこれまで生きてきた年月よりも残りの年月の方が少ないという年齢になりました。人生の折り返し点はとっくに過ぎており,「あっ」という間でした。
 志布志中学校の生徒の皆さん,時は待ってはくれません。今この瞬間を大切にしましょう。1分あれば英単語や漢字が何個も覚えられます。5分あれば,数学の文章問題の1題も解けます。こうした短い時間でも,使い方によってはその積み重ねは大きな差になります。年をとってから後悔することのないように,将来の自分に感謝されるよう,「一寸の光陰を軽ぶことなく」過ごしましょう。