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『からいもぞうすい』

令和2年4月22日(水)
 『からいもぞうすい』
 むかし,おのみの村に,ごんしろうという人がいました。ごんしろうは両親を大切にする子供でした。
 しかし,ごんしろうの家は食べるものが無いことさえあるくらいとても貧乏でした。
 ある日,ごんしろうは畑仕事を済ませて帰宅し,庭掃除やまき割りをしようとしていたところに家の中から
「ごんしろう,疲れただろう。家にお入り」とお母さんの声がしました。ごんしろうが家の中に入ると,
 「おなかがすいただろう。からいもぞうすいが一杯しか残っていないが,食べておくれ』と,今度はお父さんが言いました。
 ごんしろうは,すぐにでもぞうすいを食べたい気持ちでしたが,お父さんもお母さんもまだ食事をしていないことに,はっと気づきました。
 「おとうさん,おかあさん,僕はおなかはすいていません。さあどうぞ」と,自分のぞうすいをお椀二つに分けて渡しながら言いました。
 お父さんとお母さんは,「ごんしろう,おまえってやつは,,」と涙を流しています。
 ごんしろうは「今日も一日大変でしたね。畑仕事に,草取り,水運び,,。さあ,食べ終わったら肩をもんでさしあげましょう」と言ってお父さん,お母さんの肩をもみました。
 ごんしろうのお父さんとお母さんは,涙を浮かべながら,ごんしろうにお礼を言うのでした。
 ごんしろうは柏木門(かやのきかど)ごんしろうといい,柏木(かやのき)家の養子でしたが,両親を大切にし,柏木(かやのき)家を守るために精一杯務めたことから,周りの人に認められ,島津の殿様から褒美(ほうび)が与えられたそうです。
 今,コロナウィルス感染症防止対策で,みんな自分のことだけを考えがちですが,保護者をはじめ周囲の方々に,感謝の気持ちと態度を伝えましょう!