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令和元年10月24日『大人の階段を上がってみませんか』

 今から約35年ほど前,アニメの主題歌で『おとなの階段上る,君はまだシンデレラさ』という歌詞の曲が流行し,「先生『大人の階段』って何ですか」と中学生に問いかけられた事を覚えています。
 では,君たちは『大人の階段』とは何だと思いますか。単に年齢を重ね,成人式を迎える事だと思いますか。
 私は,『大人の階段を上る』とは,「今,自分は何をしなければならないのか,今,自分に何が求められているか」等を雰囲気から感じ取る事ができるようになる事だと思います。つまり,一緒に生活する人を気遣い,周りの人に迷惑をかけないように自分の言動を整えることができる事ではないかと思っています。
 『学問のすすめ』の著者として知られる福沢諭吉先生は,「人間は誰しも『自由』でいたいと思うものだが,自己の自由を追求していくと,時として他者の自由と衝突する。それでもなお押し通そうとするのは『わがまま』になる。そこは道徳心をもってコントロールするのが大人の責任であり,暴走を止めるための社会的なルールや規制が設けられている」と言われています。
 つまり,「自分の思うがまま」に行動することは,『わがまま』になってしまい,結果的に周りの人に迷惑をかける事になります。しかし,「周りの人に迷惑をかけてはいけない」という道徳心をもって,自分の言動をコントロールできるようになることが,『大人の階段を上る』事に,そして『礼を正す』事にもなるのだと思うのです。令和元年度後期を迎えようとしている今,再度自分たちの生活を振り返ってみてください。