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『一寸(いっすん)の虫にも五分(ごぶ)の魂(たましい)』

令和2年9月3日(木)
一寸(いっすん)の虫にも五分(ごぶ)の魂(たましい)
 「一寸の虫にも五分の魂」とは,小さな虫であっても,それなりに「魂」「心」があるという意味です。寸は長さの単位で,一寸は約3.3cmです。五分はその半分,約1.7cmの長さです。
 つまり,3cmあまりの虫であっても,小さいなりの魂,心,気持ちがあるものだ。ましてや人間ならばなおさらである。どんな人間であっても,魂があるという意味です。
 この言葉の奥底には,「みんな誰でもそれなりの魂を持って生きている。その魂をないがしろにしたり,無視して対応したりしてはなりません。」と言う戒めの思いが込められています。
 このように,小さな虫や動物に対してでも魂を見出しているところに,日本人の繊細さが感じられます。他にも,「やせ蛙(がえる) 負けるな一茶 ここにあり」という小林一茶の句などが思い浮かびます。
 この表現と同じように,人間を虫にたとえる表現は,結構多いものです。例えば,めそめそ泣いている子どもに向かって「泣き虫」とか,「弱虫」などと言ったりしますよね。このように,虫は私たちの日常に密接に関わっている生き物ですから,様々な言葉,表現に使われるのです。
 当然のことながら,学校や学級の仲間にも,それぞれ魂・心があります。そして,誰の魂・心も大切にされなければなりません。なぜなら,虫でさえも,魂・心を持っているのですから。