Skip to content

『風が吹けば桶屋(おけや)が儲(もう)かる』

令和2年11月6日(金)
風が吹けば桶屋(おけや)が儲(もう)かる
 「風が吹けば桶屋が儲かる」とは,「風が吹いたことが,廻り廻って桶屋の儲けにつながるという,一見何のつながりもなさそうなものが,意外なことに影響されてしまう。」という意味です。そしてまた,こんな遠く離れた因果関係は当てにならないという意味や,それを期待するという意味にも使われるようになりました。
 昔は,桶屋という商売がありました。今のようにプラスチックはなく,また,金属製品も豊富ではありませんでした。それでお風呂でお湯を汲むときなどに多くの場面で桶が使われていました。この桶は主に針葉樹の材木を板にして縦に並べ,タガをはめて固定し,底板を入れて組み立てられていました。桶は生活必需品でしたので,桶屋は普通に存在しました。しかし,そうそう儲かる商売ではなかったようです。
 この話は江戸時代の『東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)』に記載されています。
 風が吹くと砂ぼこりが立つ → 舞い上がった砂ぼこりが人々の目に入る → 目が潰(つぶ)れて失明する人が多くなる → 失明した人は三味線を習う → 三味線に貼る猫の皮が沢山必要になる → そのために猫が大量に捕獲される → 猫の数が減る→猫が減ってネズミが増える → 増えたネズミは沢山の桶をかじる → 桶がいっぱい壊れて,桶を買いに行く人が増える → 桶屋が儲かる
 このことから,風が吹いたことが廻り廻って桶屋が儲けることにつながるということです。
 私が皆さんにお伝えしたいことは,一見すると無関係なことでも影響を受ける場合は多く,勉強や運動も同じだということです。部活動に入っている生徒は毎日部活のために勉強する時間が取れないと悩むかも知れませんがそんなに悩む必要はありません。
 私は大学時代まで部活動をしており毎日くたくたでした。しかし,目の前のことに全力投球することを心がけていました。今思えば,例えそれが勉強に関係ないことであっても良い影響をもたらしたと思います。また,逆もまたあります。「勉強に関係ないから」という理由でいろんなことを疎か(おろそか)にしていませんか。当たり前の規則正しい生活を怠ると,勉強に対して思わぬところで悪い影響があるかもしれません。気を抜かず,取り組みましょう。