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『島津日新公のいろは歌』

令和3年1月18日(月) 
島津日新公のいろは歌
 日新公いろは歌は,島津家中興の祖で,島津義弘の祖父でもある島津忠良(ただよし:号は日新斉・じっしんさい)が,5年余の歳月をかけ完成させた薩摩藩の郷中教育の基礎となった47首の歌です。今まで23首紹介してきました。
 今日は24首以降の3首を紹介します。
う 憂(う)かりける今の身こそはさきの世と おもへば今ぞ 後の世ならん
嫌なことの多い現世(今の世の中)は前世(生まれ変わる前の世の中)の報いの結果です。現世の行の報いは後の世の姿です。ですから現世の行いを大切にしなさい。すべては因果応報なのです。
い 亥(い)に臥(ふ)して 寅(とら)には起くと夕露(ゆうつゆ)の 身を徒(いたづら)に  あらせじがため
昔の本に亥(午後10時)に寝て,寅(午前4時)に起きるとあります。朝早く起きて夜遅く休むのも,それぞれの勤めを果たすためです。時間を惜しんで働いたり勉強したりしなさい。
の 遁(のが)るまじ 所をかねて思ひきれ 時にいたりて すずしかるべし
君主や国のため命をかけなければならないときがいつかやってきます。日ごろから覚悟を決めておけば,万が一の場合にも少しの未練もなく気持ちが清らかになるはずです。
 もう一度,今日の3首を繰り返します。
う 憂かりける今の身こそはさきの世と おもへば今ぞ 後の世ならん
い 亥(い)に臥(ふ)して 寅(とら)には起くと夕露(ゆうつゆ)の 身を徒(いたづら)に  あらせじがため
の 遁(のが)るまじ 所をかねて思ひきれ 時にいたりて すずしかるべし