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『ウサギとカメ』

令和2年11月5日(木)
ウサギとカメ
 昔あるところに,足の速いウサギと,足の遅いカメがいました。ウサギはカメの足が遅いのを,いつもバカにして笑っていました。ウサギに馬鹿にされていたカメは,山の麓(ふもと)まで競争することを提案しました。 
 カメは「ウサギさんは足が速くても,私が勝ちますよ」と,言いました。
 するとウサギは「そんなことはないよ。では,今から競争してみよう。そうすれば,わかるさ」と言いました。
 カメとウサギは,山の麓を目指して一斉にスタートしました。たちまち,足の速いウサギはカメを引き離しました。
 カメはというと,スタートしたときと同じペースであきらめず,休まず歩き続けていました。
 途中でウサギが後ろを振り返ると,はるか後方にカメが歩いています。ウサギは,自分が負けるわけはないと笑い,さらに先へ進んでいきます。あっという間にカメの姿が見えないところまでやって来ました。ウサギがそこで大きな木を見つけると,その木かげでひと休みすることにしました。ウサギは足が速いので安心していたからです。一方のカメは,その間も着実に歩みを進めていました。
 ウサギはしばらくの間眠ってしまいました。どれくらいの時間が経ったでしょうか。ウサギは起き上がりました。
 「あれ,少し眠ってしまったか。まあいい。どうせ,カメはまだ後ろにいるはずだからな」
 ウサギは大きく伸びをすると,そのままゴールに向かいました。
「よし,もうすぐゴールだ。・・・あれ?」
 ウサギは自分が勝ったと思っていたのに,何とカメが先にゴールしていたのです。
 才能や能力があっても,いい加減に取り組んでいて,だめになる人はたくさんいます。
 また,才能はなくても,真面目に辛抱強く取り組む人は,才能がある人に勝つこともあるというお話でした。