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令和3年3月25日(木)
「少年よ大志を抱け」
 本日で令和2年度志布志中学校の全教育課程が修了します。本年度は,大雨や新型コロナウイルス感染症予防のために臨時休業があったため,1年生205日,2年生204日の授業日数でした。この後,各学級で担任の先生から皆さん一人一人に修了証書が渡されます。
 今日は,それぞれの学年を修了するに当たり,以前も紹介しましたが,「少年よ大志を抱け」の言葉を紹介します。「少年よ大志を抱け」とは,明治初期の札幌農学校の初代教頭だったウィリアム・スミス・クラーク博士の言葉です。「少年」とありますが,現在では男女両方を意味していると考えてください。
 さて,クラーク博士は,何に対して大志を抱きなさいと言ったのでしょうか。富でしょうか?名声でしょうか?クラーク博士は次のように言っています。
 「お金に対してでも,利己的な権力に対してでもなく,また世間の人が名声と呼ぶあの空しいものに対してでもなく,人が人として備えなければならない全てのことを身につけるため,少年よ大志を抱きなさい」と。
 また,クラーク博士は,校則を決める際,細かいきまりは必要ではなく,「紳士たれ(Be gentleman)」で十分だと言ったそうです。現代の学校ならば「Be lady , and gentleman」でしょうか。クラーク博士は,「何をするべきか,どう振る舞うべきかは自分で判断しなさい。そのときの判断基準は,紳士淑女(しゅくじょ)としてです」という意味を込めたのです。
 志布志中学校の皆さんも,「人が人として備えていなければならない全てのことを身につける」という大志を抱いて努力を続けてください。そして,礼儀正しく,品格があり,他人の立場を考えられる人,即ち紳士淑女になれるよう努めましょう。
 皆さんは,自分たちが何をやるべきなのかを理解しているはずです。大切なことは,やるべきことを実行するのか,継続できるか,協力できるかなのです。
 2週間後に,皆さんは一つ上の学年に進級します。本年度の学びや経験を礎にして来年度より良い学校生活が送れることができることを願っています。そのためにも,この2週間,1年間の学習の振り返りをしてみてください。

令和3年3月23日(火)
島津日新公のいろは歌
 日新公いろは歌は,島津家中興の祖で,島津義弘の祖父でもある島津忠良(ただよし:号は日新斉・じっしんさい)が,5年余の歳月をかけ完成させた47首の歌です。日新公いろは歌は,薩摩藩の郷中教育の基礎となったと言われています。「島津忠良」の母は,志布志生まれの島津常盤(しまづ ときわ)です。1学期から1年を通して紹介してきました。今回最後の句まで紹介します。
え えへる世をさましてやらで盃(さかずき)に 無明(むみょう)の酒を かさねるはうし
この迷いの世の中,その上にお酒をたくさん飲んで酔い潰れ,迷いの上に迷いを重ねて歩くのは情けないことです。真っ直ぐに先を見据えて歩きなさい。
ひ ひとり身をあはれとおもへ物ごとに 民(たみ)にはゆるす 心あるべし
他に頼る人がいないお年寄り,孤児,未亡人などに対しては情けをかけて一層いたわりなさい。人に対しては仁慈(じんじ)の心で寛大(かんだい)に接しなさい。
も もろもろの国やところの政道(せいどう)は 人にまづよく 教へならはせ
国や村を治める者はその国や村の掟(おきて:きまり)を,まず民に良く説明した上で政治を行いなさい。説明もしないで法を犯したものを罰するのは不仁(ふじん)の仕方である。
せ 善(ぜん)に移りあやまれるをば改めよ 義不義は生れ つかぬものなり
善にうつり,過ちは改めなさい。元来(がんらい),義不義(ぎ・ふぎ)は生まれつきのものではありません。心のありようで義にも不義にもなります。悪いと気づいたらすぐに改めなさい。
す 少しきを足れりとも知れ満ちぬれば 月もほどなく 十六夜の空
少し足りないぐらいで満足しなさい。月も満月の次の十六夜の月は欠け始めます。足ることを知って楽しむ心が大事です。