今朝、児童玄関で子どもたちを迎えていると、ある子が駆け寄ってきました。
「校長先生、これ持っておいてください。」
差し出された小さな手のひらには、一つの石がありました。特別な形をしているわけでもない、どこにでもあるような石です。
「ありがとう。持っておくね。」
そう答える間もなく、その子は満足そうな笑顔で教室へと駆けて行きました。
私は、その石を大切に握りしめながら校長室に戻りました。デスクの上にそっと置いて、改めて眺めてみます。ただの石かもしれません。でも、この子にとっては、誰かに預けたいと思える大切なものだったのでしょう。そして、預ける相手に私を選んでくれた――その事実が、今朝の私の心を温かく満たしてくれました。
何気ない、ほんの数秒のやりとりです。しかし、子どもが安心して自分の「大切なもの」を託せる。そんな関係が築けていることを実感できる、とても嬉しい出来事でした。
思えば、自分の心に余裕があるからこそ、こうした小さな瞬間を大切に受け止められるのだと思います。心穏やかであるから、子どもたちの些細な言葉にも丁寧に応えることができる。そして、その積み重ねが信頼につながっていくのでしょう。
これは私だけではありません。伊﨑田小学校には、いつでも誰かが子どもの話に耳を傾けてくれる、困っている子がいれば誰かが手を差し伸べてあげられる、そんな温かい雰囲気があります。
誰かが、子どもの小さな声を聞いてあげられる。 誰かが、そっと手伝ってあげられる。 誰かが、安心して預けられる存在でいられる。
そんな態勢が、教職員全員で自然と作られているのが、チーム伊﨑田小の強みです。
「いつ取りにくるのかな?」そんなことを思いながら,机の上の小さな石が、私にそう思わせてくれています。
