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原田の風 ~校長室より~

       「津波てんでんこ」

                      校長 知念 義光
 先日,地震・津波の避難訓練を実施しました。その際,子どもたちに「津波てんでんこ」の話をしました。ご存じのように東日本大震災の被災地,三陸沿岸部に伝わる言葉で,津波のときには,てんでんばらばら,一人ひとりで逃げよとの先人の教えです。この地域は,過去に津波の悲惨な被害を繰り返してきました。地震の後,必死にわが子を探す母親や父母を気づかい迎えに行った若者が津波にのまれて亡くなることが多かったといいます。この地域の子どもたちは,防災学習を通じて過去の悲しい被害の歴史を学び,津波の恐ろしさを理解し,自分の命を守ることは自分で避難すること以外にないことを学んでいました。しかし,子どもたちが懸命に避難したのは,津波の恐ろしさを理解していたからだけではありませんでした。
 「大きな地震のあと,君のお母さんやお父さんはどうすると思う?」という問いかけに,心配して自分を懸命に探してくれる母親や父親を思い浮かべました。そして,そこに津波が襲いかかり・・・。子どもたちは気付いたのです。自分の命は自分だけのものではないこと,自分の命をわがこと以上に大事に思ってくれる親がいること,そして親の命を守るためには,自分がしっかり避難する子にならなければならないということに。親が来なくても自分がしっかり避難する子になって,親がそれを信じてくれれば自分を探さずに避難してくれると思ったのです。「津波てんでんこ」という言葉は,決して一人だけ助かればいいということではなく,日頃から一人ひとりが自分の命に責任を持ち,それを家族が互いに信頼し合えば,家族が命を落とさないということです。 原田小の子どもたちにも,災害にあった時には,どんな行動をとればよいか,家族と相談しておきましょうと話しました。災害はいつ,どこで起きるか分かりません。特に津波は海抜の低い場所では,高台に避難しなければなりません。原田以外の場所も想定して約束ごとを決めておいてください。
【令和2年度の夏休みについて】
 新型コロナウィルス感染症拡大防止のために,志布志市の小・中学校は4月22日から5月10日まで,臨時休業を実施しました。臨時休業により失われた授業を補い,子どもの学びを保障するために夏休みを短縮することにしましたので,お知らせします。
 〇 夏休み期間  8月1日(土)~8月31日(月)
  〇 1学期終業式 7月31日(金)