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『北風と太陽』(イソップ童話)

令和2年12月15日(火)
『北風と太陽』(イソップ童話)
 北風と太陽が,どちらが強いかで言い争っていました。言い争ってばかりしていても決着がつかないので,どちらが強いか,旅人の着物を脱がせた方が強いと決めようということになりました。
 北風は思いきり強く,「ビューッ!」と,吹きつけました。旅人は震えあがって,着ている服をしっかり押さえました。
 そこで北風は,さらに強く,「ビュビューッ!」と,吹きつけました。すると旅人は,
 「うーっ,寒い。これはたまらん。もう1枚着よう」
と,今まで着ていた服の上に,上着をもう1枚重ねて着てしまいました。
 北風は,がっかりして,「きみにまかせるよ」と,太陽に言いました。
 太陽はまず始めに,ポカポカと暖かく照らしました。
 そして,旅人がさっき1枚よけいに着た上着を脱ぐのを見ると,今度はもっと暑い強い日差しを送りました。
 ジリジリと照りつける暑さに,旅人はたまらなくなって洋服を全部脱ぎ捨てると,汗を拭きました。しかし,暑くてたまりません。終いには,近くの川へ飛び込みました。
 この『北風と太陽』の逸話(いつわ)は,他の人に何かをしてもらうには,北風のように無理やりではうまくいかない。太陽のように相手がしようとする気持ちになれるよう働きかければ,無理矢理しなくても人は動いてくれる,という例え話でした。