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令和3年9月15日(水)
言葉の使い方について
 これから紹介する文章は,今年5月に実施された「全国学力・学習状況調査」で出題された「意見文」です。意味を考えながら聞いてください。
 SNSなどを活用し,インターネット上で文字を通したやりとりをする機会が増えてきている。私は,SNSでやりとりをする際は,相手にどう伝わるかをよく考えながら言葉を選んで使うべきだと思う。SNSは少ない文字数(もじすう)で自分の思いや考えを表現することが多く,相手に伝えたいことが正しく伝わらないことがあるからだ。
 以前,私は次のような経験をした。SNSを使い,みんなで待ち合わせの相談をしていたときのことである。1人の友達に対して,待ち合わせの場所までの交通手段を尋ねるつもりで「何で来るの。」と書いたところ,「どうして行ってはだめなの。」という返事が来て,はっとさせられたことがあった。友達は,私の言葉を「なぜ来るのか。」という意味で捉え(とらえ)てしまったのだ。そのとき私が,友達に誤解を与えないように「集合場所までどうやって来るの。」と,ていねいに書いていれば,このようなことは起こらなかっただろう。
 皆さんの中には,友達同士であれば短い言葉でも十分に意思(いし)疎通(そつう)が図れると考えたり,短い言葉でやりとりができる手軽さこそがSNSのよさだと考えたりする人もいるだろう。しかし,伝えたいことが正しく伝わらなければ,私が経験したように相手に誤解を与え,不快な思いをさせてしまうこともあるのだ。
 SNSで自分の思いや考えを表現する場合には,内容を相手に正しく伝えるために,言葉を十分に吟味(ぎんみ)して使うことが大切だ。少なくともあの経験以来,私は,SNSを使ってやりとりをする際には,自分が書いた言葉を必ず読み返してから発信するようにしている。

令和3年9月14日(火)
皆初めての人生を生きています
 生徒の皆さんは,毎日新しい内容の勉強をしています。これは,毎日初めての体験をしているということです。
 実は,この世に生きている人は皆,初めての人生を生きているのです。
 初めての人生ですから,実は正解は誰にもわかりません。この世に2回目の人生を生きている人はどこにもいません。自分だけに与えられた一回だけの人生です。
 自分を信じて,自分の夢に向かって進んでいきましょう。周りが何と言おうと自分だけの人生です。あなただけの人生です。ですから,楽しく明るく前向きに生きましょう。
 そして,学級や部活動などの仲間と同じ時間を生きていることも忘れてはなりません。

令和3年9月13日(月)
「やりたいこと」と「やりたくないこと」
そして,「できること」と「できないこと」
 東進ハイスクールの林先生は,物事を考えるときに,縦と横に座標軸(ざひょうじく),すなわち線を頭の中で引く習慣があるそうです。常に自分がやってることを軸で分析しているそうです。
 一例を紹介します。「好きなこと」と「嫌いなこと」があります。言い換えるならば「やりたいこと」と「やりたくないこと」。それから,「やって役に立つこと」と「役に立たないこと」もあります。
 自分がやってることが「好き」で役に立つことだったら問題ありません。嫌いで役に立たないことはやらなくてもいいのですから。
 また,「好き」だけど「役に立たないこと」はどうでしょう。例えばゲームで考えてみましょう。皆さんは楽しいし,大好きだと思います。しかし,あまり役には立ちませんよね。
 最後に,「役に立つ」けど「嫌いなこと」はどうでしょう。この「役に立つ」けど「嫌いなこと」への向き合い方が大切です。「それをやれば役に立つ」けど「嫌いなこと」はたくさんありますね。多くの皆さんにとっては勉強なのかも知れません。しかし,勉強は,間違いなく役に立ちます。もちろん,全部ではありませんが。
 林修先生は仕事選びも座標軸(ざひょうじく)で考え,仕事を「やりたいこと・やりたくないこと」と「できること・できないこと」で考えています。もちろん「好きで,得意なこと」を仕事にするのが一番です。ただ,そんな幸運な仕事ができる人はごく一握り(ひとにぎり)なのですね。林先生は「嫌いだけど,なぜか自分が得意で他の人よりできることに目を向けろ」と言っています。
 林先生にとっては「嫌いだけど,できること」が「人に教えること」だったと言います。だからあまりやりたくはないけれど「予備校講師」になったとおっしゃっていました。このように,やりたくないけどできることに目を向けることで,仕事選びの幅はグッと広がっていきます。
 そして自分の得意なことは多くの人を喜ばせることができるので,結果的に人に喜ばれたり感謝されたりしてやりがいを感じることができるようになります。皆さんも「嫌いなのかも知れないけれど,できること・得意なこと」を増やしていきましょう。