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令和2年11月16日(月)
「情けは人のためならず」
~ 他の人に情けをかけるのは自分のため ~
これは,他の人のために良い行いをすれば,巡り巡って自分にも良いことが返って来るという意味のことわざです。「知の巨人」と呼ばれ,企業の存在意義やマネジメントに関する世界的な権威であり,「現代経営学」や「マネジメント」の発明者とされているドラッカーも,「人の役に立ちたいという気持ちは,自分の成長につながる」と言っています。
皆さんの学びにおいて最も定着につながるのは,他の生徒に説明する学習だと言われています。もし,皆さんが他の生徒に説明しなければならなくなったら,どうしますか?他の生徒に説明するためには,間違ったことを教えないように,教科書を読み返したり,ノートを確認したりしますよね。わかりやすく説明するために,いろいろな考えを及ばせ「あーでもない,こーでもない」とより分かりやすい工夫をしようとすることでしょう。すなわち,他の生徒に説明するのは,説明を受ける生徒のためになっているだけではなく,実は説明する側の生徒の知識を深め,磨くことにもなっているのです。
誰かのためは,自分のためでもあります。分からない人がいたら,ぜひ,その人を助けるためにも,わかりやすく説明してあげてください。このように生徒同士で教え合うことで,教えられる側はもちろん,教える側もレベルアップすることで明日からの期末テストに臨んでください。
もちろん,コロナウィルス感染拡大防止には,最大限の配慮をし,三密を避け教え合ってください。

令和2年11月13日(金)
「やる気スイッチ」を入れるために
 勉強しなければならないのに,なかなかやる気が出ないことがあります。そんなとき必要なのは,「勉強ができる体制」に変えることです。私たち中学生は,一旦スイッチが入ると素晴らしい集中力を発揮することができます。スムーズに「やる気スイッチ」を入れ,継続させるための環境を整えましょう。
 そのためには,まず,勉強部屋の温度は低めに設定し,換気は常にしておきましょう。静かに扇風機を回し,外の音が聞こえない程度に窓を開けておくのもいいでしょう。集中するために大切なのは「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」の状態にすることです。「頭寒足熱」とは,頭を冷やし,足元は暖かくすることです。暖め過ぎるとぼーっとして集中力が途切れやすくなり,寒いと全身が冷え込んで震えてきます。
 次に,勉強する部屋や机の上に余計なものはありませんか。勉強する際,マンガやスマホ,テレビやゲーム機などがそばにあると,集中力が削がれます。勉強する際は,気が散る物が視界から遠ざけましょう。だからといって,テスト直前に急に部屋を掃除し始めるのは,目前(もくぜん)の現実から逃げる「逃避行為」になりかねません。基本的に,常に机上は何もない状態にしておきましょう。
 もし,自室の勉強机などでどうしても集中できないのであれば,リビングや図書館など,場所や環境を変えてはいかがしょう。図書館のように「静かな環境」のほうが集中できる生徒いれば,自宅のリビングのように「家族に見られながら勉強する環境」のほうが集中できる生徒もいます。集中力に欠ける場合は思い切って,勉強環境を変えてみましょう。そして,学習後集中できたか自己反省することで,自分の特性に応じた最適な学習の場所を発見できることでしょう。

令和2年11月12日(木)
人間万事(にんげんばんじ)塞翁(さいおう)が馬
昔の中国のお話です。ある塞(さい,砦:とりで)に近いところにおじいさんとその息子が住んでいました。
ある日,おじいさんが飼っている馬が遊牧民族の地へ逃げていってしまいました。周囲の人が馬がいなくなったことを悲しんでいるだろうと思いおじいさんに聞いてみました。しかし,おじいさんは「いやいや,馬がいなくなったことが幸福につながるかもしれないよ」と笑っています。
すると,数ヵ月後おじいさんの馬が逃げていった遊牧民族の地から素晴らしい良馬を連れ,つまり2頭で帰ってきたのです。しかし,おじいさんは「もしや,これが不幸の原因になるかも知れない」と心配したそうです。
おじいさんの言ったとおり,その連れ帰ってきた馬に乗っていた息子が馬から落ちてしまい,太ももの骨,大腿骨(だいたいこつ)を折る大怪我をしてしまいました。すると,おじいさんは「もしかしたら,これは幸福につながるかも知れない」と言いました。
その年,おじいさんたちの近くの砦(とりで)に突然敵が攻め込んできました。そして大きな戦(いくさ)になりました。その砦の周囲の若者は戦に借り出され,ほとんどが戦死してしまいました。しかし,そんな中おじいさんの息子は大腿骨(だいたいこつ)を骨折していたために戦(いくさ)に借り出されず,無事に生き残った,というお話です。
藤子・F・不二雄のアニメ『ドラえもん』には,サイオー馬(ば) という道具が出てきます。不幸な時にこのサイオー馬に蹴られると幸せになり,逆に幸せな時に蹴られると不幸になる,という「人間万事塞翁が馬」を具現化したような道具でした。
人生というのは何がいいことか,悪いことなのか最後までわかりません。幸福や不幸は,そのときだけでは分からないということです。不幸な出来事が起きても,実はそれは不幸な事ではなく,逆にいいことにつながるかも知れません。逆に幸運なことがあっても手放しで喜んでいないで,次に起こるかもしれない不幸に備えなさいという教訓のことわざでもあるのです。
 「人間万事塞翁が馬」。コロナ渦の現在ですが,「新型コロナウィルスに学ぶことができた」と後々(のちのち)の時代で言える日が来ること,「災い転じて福となす」ことになるよう願っています。