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 2年前の3月19日に君たちがよく知っている『ウサギとカメ』の物語に託された教えを紹介しました。
 この物語は,ウサギとカメが「かけっこ」で競争し,どちらが早く目的地に到着するか競い合う物語で,ウサギならばカメに負けるはずがないのですが,ウサギは油断をして昼寝をしてしまい,その間にカメがウサギを追い越し,目的地に着いてしまうという話です。この物語が伝えようとしている事は,『努力と継続』の大切さです。優れた能力や才能を持っていても,油断して努力を怠れば,地道に努力を積み重ねる人には勝てないという事です。
 しかし,この『ウサギとカメ』の物語には,もう一つ教えがあるのです。それは,「ウサギは競争相手であるカメばかりを気にしていたため,つい油断してしまった。それに対してカメは,ウサギを気にせずゴールだけを見て,ひたすらゴールに向かって歩き続けたので勝利を得た。」というのです。つまり,この物語は,ライバルや周りを気にせず,ひたすら目標に向かって努力する事の大切さをも教えている物語なのです。
 君たちは,今,感染症予防のために登校できずに家庭で過ごしていますが,ただ漠然と一日を過ごすのではなく,学校が再開された時の自分の姿を想像し,その姿を目標として,ひたすら目標実現に向かって努力する事が大切なのです。
 今,君たちの競争相手は友だちではなく「自分自身」です。必ず,「当たり前の風景が,当たり前の日常が」帰ってきます。その日の為にも,今できる事を続けてください。

 「早寝・早起き・朝ごはん」国民運動を知っていますか。君たちが健やかに成長していくためには,適切な運動と調和の取れた食事,十分な休養・睡眠が大切だと言われています。
  3月16日(月)に臨時の登校日を設定したところ,ほとんどの生徒が元気な姿で8時5分までに登校してくれましたが,約50分の学級活動の学習に集中できず,眠たそうにしている生徒や姿勢が崩れそうになる生徒,そして下校する際に「お腹がすいた」という生徒がいたという事を担任の先生から聞きました。
 このことは,約2週間の臨時休業中の家庭での生活の様子の一部を表しているのだと思います。つまり,SNSやネット機器,ゲーム等に集中するあまり,眠る時間が遅くなり,朝いつも通りに起きれなかったり,朝食と昼食が一緒になるなど基本的な生活習慣が乱れつつあるという事を表しているのです。
 今,成長期を迎えた君たちにとって当たり前で大切な「よく体を動かし,よく食べ,よく眠る」等という基本的生活習慣が乱れると,学習に対する意欲や何かに挑戦しようとする気力が低下するとも言われています。約20日後に始まる新学年の為に,「早寝・早起き・朝ごはん」を意識した生活を心がけてください。
 私は,君たちの眠そうな表情より,笑顔あふれる表情が大好きです。君たちが,25日(水)に笑顔で登校して来てくれるのを楽しみにしています。頑張れ,志中生。

 『終わりよければ全てよし』という言葉には,「どんなに辛いことがあっても,どんなに大変な道のりであったとしても,最後の最後で上手く行けば,良い」という意味と「最高の最後を目指して,準備し,計画し,最高の結果実現へ向けて最善を尽くす。」という意味との二通りがあるという事を昨年紹介しました。
 私は,イチロー選手の熱烈なファンなので,今でもイチロー選手の現役最後の打席を忘れることができません。イチロー選手は,最後の打席,ヒットを打つことはできませんでしたが,一塁まで必死に走る姿に「最高の最後を目指して,準備し,最高の結果実現へ向けて最善を尽くす。」という思いが表れ,その場面とその時受けた衝撃的な感動を今でも忘れることができません。
 今,新型コロナウイルス感染症予防のために臨時休業になっている中,あと10日余りで令和元年度の授業が終わろうとしています。
 君たちは,今,感染症予防のために登校できずに家庭で過ごすという『非日常的な生活』を行っていますが,「最後まで最善を尽くす」という思いを大切に計画的に家庭学習を進めてください。必ず,「当たり前の風景が,当たり前の日常が」帰ってきます。その日の為にも,今できる事を続けてください。