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 人は,誰もが自分自身のことは見えにくいもので,自分の長所はと質問されても答えられない人が意外と多いものです。つまり自分自身の魅力に気付いていない人が非常に多いのが実際なのです。
 よく先生から「君は,責任感があるからこの係の仕事をしてみないか」とか,「君にこの仕事を引き受けてほしい。」と言われ,「何で僕がそんな仕事をしなければいけないんだろう。他にもできる人がいるじゃないか。」と不安に思った事がありませんか。
 自分では,「僕にはそんな力はないと思うのに,先生は僕の事を誤解している。もっとちゃんと見てほしい。」と反発した事はありませんか。
 実は,人は他人の細かい点までよく気がつくものですが,自分の事はあまりよく分かっていないものなのです。この事は,君たちだけでなく私にも言える事でもあります。
 以前,先輩の方から「自分でしたい仕事も大切だけど,頼まれた仕事に君の可能性があるんだよ。君に仕事を依頼した方は,君の良さを理解し,君の可能性を信じて,君に仕事を頼んでいらっしゃるのだと思うよ。」と言われたことがあります。
 あと1か月もすると新しい生徒会がスタートし,新しい事にチャレンジする機会が増えます。自分でしたい係も大切ですが,人から頼まれる仕事に自分でも気づいていない可能性があります。
 君たちが,新たな自分発見のために新たな事に挑戦してくれる事を期待しています。

 今から10年前の3月11日に東日本大震災と大津波が発生し,東北地方から関東地方にかけて甚大な被害がもたらせられました。 その時,「『思い』は見えないけれど、『思いやり』は誰にでも見える。」と言うナレーションと共に電車通学をしている高校生が,妊婦の方に席を譲ろうとしますが,勇気を出せず,席を譲れずに悔やんでいる様子,そしてその後同じ高校生が,荷物をもって階段を上がっていらっしゃるお年寄りの荷物を持つかどうか迷いながらもお年寄りを手伝う姿が何回となく放送された事を覚えていますか。
 昨日,1年生で「思いやり」を題材とした道徳科の授業が行われました。バスに乗っていた中学生が,バスに乗って来られたお年寄りに席を譲ろうと声を掛けますが,理解してもらえず,自分のとった対応はどうだったのか,そして,今後どのようにしたらいいのか考える授業でした。
 1年生の生徒たちは,主人公の生徒の思いに共感しながらも,「自分だったらどうするだろう。」という事を真剣に考え,多くの生徒が自分の考えを意欲的に発表する姿が見られ,大きな感動をもらいました。
 その中で,先生の「これからどうしますか。」という質問に対して,ある生徒が「相手の気持ちになって,声をかけたり,手助けをしていきたいです。」と発表してくれました。
 思いやりは,集団の中で生活する上で最も大切な事です。「『心』は誰にも見えないけれど、『こころづかい』は見える。『思い』は見えないけれど、『思いやり』は誰にでも見える。」という事をぜひ,様々な場面で君たちが表現してくれることを期待しています。

 昨日の生徒集会でも話をしましたが,9月23日と29日に校区内の小学校で運動会が実施され,全ての学校の運動会の様子を参観させてもらい,志布志中生が意欲的に役員として選手として役割を果たしている姿や,来年志布志中に入学してくる6年生が各学校のリーダーとして活躍している姿に大きな感動をもらいました。
 運動会当日,全ての学校で地域の方々や小学校の先生方から「中学校の体育大会は素晴らしかった。生徒たちが,あんなに一生懸命取り組んでいる姿に驚かされ,本当に安心しました。」と何とも言えない笑顔で褒めてくださいました。
 この地域の方々の言葉は,地域の方々が君たちの頑張りを認めてくださっている事を,そして,志布志中生に大きな期待を寄せてくださっている事を,また,君たちの姿をいつも見守って下さっている事を表しているのだと思います。
 君たちが,学校生活だけでなく,登下校中の挨拶や地域でのボランティア活動,地域行事で一生懸命取組む姿は,地域の方々に大きな期待と笑顔を与える事に繋がっています。
 そして,地域の方々の期待と笑顔が,志布志中生を支える大きな力になっているのです。ぜひ,これからも地域の方々が見守って下さっていることに感謝し,「当たり前の事が当たり前にできる」志布志中生を表現し続けてください。