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 今から約35年ほど前,アニメの主題歌で『おとなの階段上る,君はまだシンデレラさ』という歌詞の曲が流行し,「先生『大人の階段』って何ですか」と中学生に問いかけられた事を覚えています。
 では,君たちは『大人の階段』とは何だと思いますか。単に年齢を重ね,成人式を迎える事だと思いますか。
 私は,『大人の階段を上る』とは,「今,自分は何をしなければならないのか,今,自分に何が求められているか」等を雰囲気から感じ取る事ができるようになる事だと思います。つまり,一緒に生活する人を気遣い,周りの人に迷惑をかけないように自分の言動を整えることができる事ではないかと思っています。
 『学問のすすめ』の著者として知られる福沢諭吉先生は,「人間は誰しも『自由』でいたいと思うものだが,自己の自由を追求していくと,時として他者の自由と衝突する。それでもなお押し通そうとするのは『わがまま』になる。そこは道徳心をもってコントロールするのが大人の責任であり,暴走を止めるための社会的なルールや規制が設けられている」と言われています。
 つまり,「自分の思うがまま」に行動することは,『わがまま』になってしまい,結果的に周りの人に迷惑をかける事になります。しかし,「周りの人に迷惑をかけてはいけない」という道徳心をもって,自分の言動をコントロールできるようになることが,『大人の階段を上る』事に,そして『礼を正す』事にもなるのだと思うのです。令和元年度後期を迎えようとしている今,再度自分たちの生活を振り返ってみてください。

 集団で目標を設定し,具体的な事に取り組み,目標を達成するには,「『知らせる努力』と『知る努力』」が必要であると教えられたことがあります。
 今週月曜日には,『時を守り,場を清め,礼を正す』事について再度生活を振り返り,新たなスタートをとお願いしました。
 今日は,「『時を守る』事がなぜ大切なのか」について再度君たちに知らせるので,よく聞いて自分の事として,自分の学級の事として考えてみてください。
 では,なぜ『時間を守る』事が大事なのでしょうか。その最大の理由は,自分だけの問題ではなく,他人を巻き込んで迷惑をかけることになるからです。例えば,決められた時刻に遅刻したとしたら,誰かを待たせることになり,相手の貴重な時間を奪ってしまいます。また,集団の中で一人でも遅刻者が出ると,ルーズな雰囲気が集団の中に広がってしまいます。
 このように,時間を守れないという事は,周りに多大な悪影響を与えるだけでなく,社会人として生きていく上で必要な『時間を守る』という大きな信用を失ってしま事にもなるのです。
 今「8時5分生徒玄関通過,8時10分着席」100%達成ができない日が続いています。生徒玄関には,君たちが100%を達成することを期待して,毎朝,生徒会の生徒たちが待っています。
 ぜひ,生徒会の人たちの思いを『知る努力』を,そして『時間を守る努力』をしてみてください。期待しています。

 志布志中学校では,目指す学校像として『時を守り,場を清め,礼を正す』を目標に様々な活動に取り組んでいます。
 『時を守る』は,生徒会が推奨している「8時5分生徒玄関通過,8時10分着席」,そして,「チャイム1分前着席,立腰してチャイム黙想」,「給食の準備を10分間で終了する」,「予鈴で掃除場所に移動し,チャイム黙想後無言で清掃する」等です。
 時間が守れない集団は,生活の枠組みをつくれず,誰かを待たすことになります。人を待たす事は,相手の時間を奪う事を意味し,信頼を失い,人間関係も悪くなります。
 『場を清める』は,生徒会が実施している「ほうきの目運動」や「ごみ拾い運動」,そして各学級の帰りの会等で行われている「クリーンタイム」,全校で取り組んでいる「無言清掃」等です。落ち着かない学校は,教室や廊下にゴミが落ちていたり,靴箱の靴が揃っていなかったり,カバン棚には私物が騒然と置かれたりしています。整理整頓がなされた場所では,清潔感があり,気持ちが引き締まり,心豊かに落ち着いた生活を送ることができるものです。
 『礼を正す』は,挨拶,返事,言葉遣い等だけでなく,周りの人に不快な思いをさせない,迷惑をかけない等も含まれています。落ち着かない集団では,言葉遣いが乱暴になったり,授業中の私語が目立ったち不快に思っている人が多くいるものです。自分の学級を振り返ってみてください。
 さて,『時を守り,場を清め,礼を正す』事は,君たちが将来生きていく上で最も大切なものになります。新しい生徒会がスタートする今,再度自分たちの生活を振り返ってみてください。