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 今日は,『信頼』について考えてみたいと思います。『信頼』を得るというのは,小さな事の積み重ねで長い時間がかかるものです。
「期待に応える」とか「約束を守る」とか「当たり前の事を当たり前にできる」等のようなことを日々積み上げることで周りの人に信頼されるのです。
 しかし,信頼を崩すというのは本当に簡単なことです。「約束を破る」とか「やるべきことをしない」とか「わがままを通す」等のようなことを行うと,長い時間をかけて積み上げてきた『信頼』が一瞬にして崩れてしまうものです。
 イメージとしては信頼を築くことは,砂浜の波打ち際で砂山を作ることと同じなのです。砂を積み上げる手を止めてしまうと打ち寄せる波で砂山が崩されていく,砂山を作るにはひたすら砂を積み続けなければならないのです。
 では,『信頼』を得るため具体的にどんなことをしたらいいのでしょうか。鹿児島県出身で京セラの創業者である稲盛和夫さんの言葉に『「素直な心」「熱意」「努力」といった言葉は,あまりに素朴で原始的なために,誰も気に留めない。しかし,そういう単純な事こそが人生を決めていくポイントなのだ。』という言葉があります。
 君たちが,周りの人の言葉や教えを素直に聞き入れ,自分の目標達成へ向けて,「必ず実現する」という熱い思いを持ちながら,やるべきことを確実に行い,「当たり前の事を当たり前に行う」ことを継続できれば,『信頼』というとてつもない高価な宝物を得ることができるのだと思います。
 昨日も話しましたが,「これぐらいは」とか「これぐらいでいいかな」と迷う場面に直面した時には,「本当にこれでいいのか」と自問自答しながら,自分の強い心を信じて正しい選択をしてください。

 日々の生活の中で,つい私たちは「簡単なこと」や「できる事」をおろそかにしてしまいがちです。「これぐらいは遅れてもいいだろう」「これぐらいは見つからないだろう」「これぐらいは大したことじゃないだろう」と簡単に考えてしまう事が,全てにおいて,いい加減な取り組みとなり,結果的に大きな失敗に繋がってしまうものです。
 君たちは,「これぐらいはいいだろう。」という言葉を身の回りで聞いたことがありませんか。意外と簡単にこの言葉を使っていませんか。
 君たちが「これぐらいはいいだろう」という言葉を使う時の場面を思い浮かべてみてください。君たちがこの言葉を使うときには,学校を含めた社会のルールや生活する上での規則等を破ろうとしている時ではありませんか。今から自分が行おうとする行為がよくない行為だと分かっていながらも,「これぐらいは」と迷っている気持ちを振り切ろうとしている時ではありませんか。また,周りにいる友だちに「一人ではないから,一緒にいいだろう」と同意を求めている時ではありませんか。
 私たちが,「これぐらいは」と考えている時には,心の中で「それは間違っているから止めよう」という強い心と「これぐらいは大丈夫。大したことじゃない。みんなやっているから」という弱い心が闘っている時なのです。
 人生は,「一つの行いで,その人の生き方の全てを見透かされる」とも言われます。君たちの周りにはたくさんの誘惑があり,迷いながら生活していると思います。
 これから「これぐらいは」と迷う場面に直面した時には,「本当にこれでいいのか」と自問自答しながら,自分の強い心を信じて正しい選択をしてください。   

 昨日,『一点突破』とは,自分の中で自信があることを伸ばして,努力を継続し,更に自信を膨らませ,自信があることや得意なこと以外の事にも可能性を広げていくことであるという話をしましたが,このことは,『「8時5分までに生徒玄関通過」100%達成』にも通じることではないでしょうか。
 君たちは,昨年度の体育大会の全体練習の時から集会活動や全校で取り組む学習等の時に開始時刻の2~3分前には集合を完了し,黙想をして開始時刻を待つことができるようになり,そのことが志布志中の『伝統』『校風』として引き継がれるようになっています。
 そして,昨日,約5か月ぶりに『「8時5分までに生徒玄関通過」100%達成』を実現することができました。
 つまり,集団としての「時間を守る」意識が,確実に実行できるという志布志中の『習慣』として定着し,この事を志布志中の武器,アピールポイントとして磨きあげ,やっと『個』としての「時間を守る」意識へと高めることができたのです。
 このことは,本当に素晴らしいことです。ぜひ,集会時の集合の在り方と同じように継続して,志布志中学校の新たな『習慣』として定着させてください。
 志布志中学校生徒会が3年生から2年生に引き継がれるまで,あと3週間余り,『「8時5分までに生徒玄関通過」100%達成』が継続され,2年生を中心とした新しい生徒会では,他のことにも可能性を広げていってくれることを心から期待しています。