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研究の醍醐味は好奇心

令和3年10月19日(火)
 研究の醍醐味(だいごみ)は好奇心
 地球温暖化研究に対する功績(こうせき)が認められ,今月5日ノーベル物理学賞を受賞したのは真鍋淑郎(まなべ しゅくろう)さんです。真鍋さんは,現在90歳なのですが,アメリカのプリンストン大学で上級研究員を務めていらっしゃいます。
 真鍋さんはノーベル賞の受賞が発表された5日に,プリンストン大学で行われた記者会見で,「気候物理学というテーマで受賞できて非常に光栄」であるとおっしゃっていました。さらには,英語で「好奇心:curiosity(キュリアシティ)”という単語を繰り返し強調されました。
 真鍋さんは大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が気候に及ぼす影響を根拠を持って明らかにした初めて研究者です。当時、アメリカで普及し始めたコンピューターを使って,“世界で一番スーパーコンピューターを使った男”と異名が付くほど気象を予測する研究に没頭しました。そして,大気中の二酸化炭素濃度の上昇が地表の温度上昇につながることを実証しました。地球温暖化の原因を科学的に示した真鍋さんの研究は,現在,世界的に進められているSDGs(持続可能な開発目標)における脱(だつ)炭素(たんそ)の動きにも大きな影響を与えています。
 自然災害の多い日本で生まれ育った真鍋さんは,子どもの頃から気候に強い関心をもっていたようです。周りからは「好奇心の塊」「研究を楽しむ人」などと評価されていました。
 日本出身のノーベル賞受賞者は,現在真鍋さんを含めて28人です。物理学賞の受賞者としては12人目です。日本の基礎科学分野におけるこれまでのノーベル賞受賞者は,真鍋さんと同じように研究の醍醐味(だいごみ)を「好奇心」であると述べていた方が多くいらっしゃいました。
 志布志中の皆さんも,どの教科においても,授業中は興味を持って「好奇心」を高めた状態で臨みましょう。そして,いつか本校からノーベル賞を受賞するような人物が出ることを期待しています。