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『自業自得(じごうじとく)』

 令和2年9月16日(水)
自業自得(じごうじとく)
「自業自得(じごうじとく)」という四文字熟語を知っていますか。自分の「自」,授業や卒業の「業」の字を書いて「ごう」と読みます。自分の「自」と損得の「得」の四文字で「自業自得」といいます。自分の業(ぎょう・ごう)は,自分の得につながるという意味です。
「自業自得」という言葉は今まで悪いことをしてきたからひどい目に遭ったのも仕方がないという意味で使われることが多いです。例えば,日ごろから悪いことをしている誰かがひどい目に遭うと「あいつはいつも悪いことしていたからな。自業自得だよ」と言います。
逆に誰かが努力して成功したのを見て「あの人は毎日頑張っていたからなあ。自業自得だよ。」などとは言いません。このように悪い行動の末に悪い結果が来ることを「自業自得」と言いますが,本来の意味からするとそれだけではありません。「自業自得(じごうじとく)」の業(ごう)とは,カルマという昔のインドの言葉を漢字で表したものです。日本語では,行為,行いという意味です。ですから,自業自得は,自分の行動の結果を自分で得る,という意味です。自分の行いの結果は,自分に返ってきます。自分が一生懸命勉強すれば,自分の成績が上がります。身体を鍛え,食べものにも気をつけていれば,自分の体が健康になります。これらは,自分の行いが自分に返ってきたのですから,自業自得と言えます。
 つまり,「あなたの行いが,あなたの幸せや不幸せを決めているのです」というお釈迦さまの教えからの仏教用語なのです。これが自業自得という言葉の本来の意味です。
 私たちは物事が思いどおりにいかなかったり,嫌なことや失敗が続くと,何で自分だけこんな目に逢うのだろうと思ってしまいます。しかし,お釈迦さまは,「自分の行いは,いい行いでも,悪い行いでも必ず自分自身に返って来るものです」とおっしゃっています。だから,自分の行いを信じて頑張れば,必ず道は開けるものです。