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『学問のすゝめ』

令和2年5月18日(月)
 「学問のすゝめ」
 「学問のすゝめ」は,福沢諭吉の著書のひとつであり代表作です。最終的に300万部以上売れたそうです。当時の日本の人口が3000万人程だったので,実に全国民の10人に1人が買った計算になります。現在の日本に当てはめると,総人口1億2000万人の10分の1,すなわち1200万冊売れたことになり,100万冊売れればミリオンセラーと言われ大ヒット作品なので,その12倍も売れた本というわけです。
 冒頭の一節である,「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずといへり」という文章はとても有名です。この文に対応する下(しも)の句とも言える一文は,「されども今廣く(ひろく)この人間世界を見渡すにかしこき人ありおろかなる人あり貧しきもあり冨めるもあり貴人(きじん)もあり下人(げにん)もありて其有様(そのありさま)雲泥(うんでい)との相違あるに似たるは何ぞや」です。
 これらの文章の意味は「天は人の上に人を造らないし,人の下にも人を造らないと言われています。人は生まれながら貴い(たっとい)とか賎しい(いやしい)とか,上や下などの差別はありません。しかし,今広くこの人間世界を見渡してみると,賢い人愚かな人貧乏な人金持ちの人身分の高い人低い人とがいます。その違いは何でしょう。それは甚だ(はなはだ)明らかです。賢い人と愚かな人との区別は学ぶと学ばざるとによってできるものなのです。人は生まれながらにして貴い(たっとい)とか賎しい(いやしい)とか,上や下などの差別はありません。ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴い人となり富める人となり,学ばない者は貧しい人となり下人となるのだ」という意味です。
 いろいろな考え方もあるとは思いますが,学ぶことで損をすることはありません。志布志中学校の生徒の皆さん,是非大いに学び,学ぶことで自分の可能性を高め伸ばしていってください。