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令和元年10月28日『酸っぱいブドウ』

 人は,今自分が抱えている課題を自分自身に問題があるのではなく,周りに原因があると考えてしまいがちなものです。
 例えば,今君たちは,文化祭へ向けて劇や展示等練習に一生懸命取り組んでいると思いますが,なかなか思うように進まず「もっと時間があれば…」「もっと友だちが協力してくれれば…」「もっと,もっと」と上手くいかないのは,「時間がないから」「友だちが悪いから」等と自分自身の中にある課題には目を向けず,原因は周りにあるんだと自分を正当化していませんか。
 しかし,上手くいかないのは周りにあると考えている限り,残念ながら課題解決への道程は遠のいてしまいます。自分を正当化してしまうと自分自身の課題から目を背け,周りへの責任を追及する事だけになり,自分自身を改善する機会を失ってしまうのです。このことは,イソップ童話の「酸っぱいブドウ」のキツネと同じです。お腹を空かせたキツネは,美味しそうなブドウを見つけ,食べようと一生懸命に跳び着きますが,ブドウは木の高い所にあって届きません。キツネは,何度跳んでも届かず「どうせこのブドウは酸っぱくてまずいから,誰が食べてやるものか」と負け惜しみを言い,ブドウを取る努力を諦めてしまうのです。
 もし,ブドウを見つけたのが君だったら諦めますか。それとも何か方法を見つけブドウを取ろうとしますか。今,「時間がなくてもやり遂げるにはどうしたら良いだろうか?」「友だちと一緒に力を合わすにはどうしたらいいだろうか?」と自分自身に問いかけるだけで,課題解決の光が見えてくると思います。
 文化祭まであと4日,限られた時間の中で諦めずに,気張ってください。